特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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レバノンでのシリア難民・レバノン人への農業支援

  • シリア・レバノン・トルコ
  • 経済自立支援事業

経済危機で苦しい生活が続くシリア難民・レバノン人に農業支援と食糧配付を行います

プロジェクト背景

2019年10月から政治危機と財政危機がはじまったレバノンでは、2020年3月にはデフォルトに陥った上に、新型コロナウィルス感染拡大、2020年のベイルート港爆発、2022年のウクライナ危機等の影響により、通貨の暴落や食料品を始めとする物価の高騰で、経済状況は悪化の一途をたどっています。

 

レバノン国内に150万人が居住しているとされるシリア難民はもとより、レバノン人の生活は年々苦しくなり、2023年12月時点で、レバノンの全人口570万人のうち、65%にあたる370万人が支援を必要としています。

 

レバノンはアラブ世界で最も耕作地の割合が高いにもかかわらず、経済危機以降、農業生産は急激に落ち込み、食糧価格の高騰と食糧不足を招いています。アッカール県はレバノン北部に位置し、多くのシリア難民が居住しています。レバノン有数の農業地帯でありながら、レバノンで最も貧しく、食糧不足が深刻な地域です。多くの農家が物価高騰のため、種や苗、肥料、トラクターやポンプを動かすための燃料など、必要な農業資材を購入できなくなっています。

プロジェクト内容

  • 12月から開始したキャベツの栽培

  • レバノン人・シリア難民を対象にした農業研修

  • 生産した夏野菜(ナス)を地域で配付

  • キャッシュフォーワーカーと会議

  • 肥料と農薬散布の様子

  • 現地スタッフが月に2回活動地を訪問、農家の方々と会議を定期的に実施

  • ナスの植え付け

20244月からパルシックはレバノン北部のアッカール県において農業を通じた食糧生産支援を開始しました。

 

借り上げた農地をシリア難民や脆弱なレバノン人に貸与し、野菜栽培を支援します。収穫した野菜は自分たちの食料になるほか、近隣の市場で販売して収入を得ることができます。また農地の一角にはビニールハウスを設置し、そこでも野菜を栽培します。貸与された土地とビニールハウスでは、仕事がなく困窮している世帯が働いて現金収入が得られるように、農作業の日雇い労働の機会を提供します。収穫された野菜は近隣の困窮した世帯に食糧支援として配付します。

 

その他に、近隣の小規模なレバノン人農家には、提携している販売店で種や苗、肥料など必要な農業物資が購入できるバウチャーを配付して、物価高騰に苦しむ農家を支援します。また気候変動や経済危機といった困難な状況の中でも安定して農業生産が継続できるよう、節水型の農業やコンポスト(堆肥)作りなどの技術研修の機会も提供します。

この事業は、ジャパン・プラットフォームの助成および皆さまからのご寄付により実施しています。

現地からの声

  • 現地提携団体のザフさん

    レバノンでは2019年から終わりの見えない経済危機が続いています。経済危機で物価が高騰して食費が家計を圧迫するため、人びとは食事の量や回数を減らしたり、安価な食品に頼ったりして、レバノンで最も貧困率の高いアッカール県では深刻な栄養不足が懸念されています。シリア難民だけではなく、レバノン人の暮らしも逼迫しています。農業支援を通じて食料生産と食料配付を行うこの事業は、非常に意義があると感じています。(写真左がザフさん)

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