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ムライティブ帰還漁民への漁具配布事業

  • スリランカ
  • 復興支援事業

ムライティブへの帰還漁民を対象とした漁具配布事業を実施しました

プロジェクト背景

2012年3月から12月まで、ムライティブ県の東海岸に位置するマリタイムパットゥ郡の帰還民への漁具配布事業を実施しました。ムライティブ県は内戦末期に激しい戦闘が繰り広げられ、戦争で大きな被害を受けた場所です。ムライティブ県マリタイムパットゥ郡は、東海岸がインド洋に面する好漁場ですが、内戦後の復興支援が届いておらず、事業開始前の2011年9月時点で漁業分野はニーズの10%未満しか達成されていない状況でした。

プロジェクト内容

  • 伝統漁船テッパンで漁をする人びと

  • 海岸で地曳網漁の準備をする漁民

  • 配布したファイバーグラス・ボート

2013年3月、ムライティブ県マリタイムパットゥ郡の東南沿岸部に位置する、コクトルワイ、カルナドゥカーニ、コクライの3村から、帰還民の生活向上、コミュニティ復興のための事業を開始し、共同井戸の建設、戦争によって解体した漁協活性化のための研修実施、せり場の建設、村民が皆で利用できるコミュニティセンターの建設とセンターを利用したプログラムを実施しました。また、対象を同郡内及び隣接したプドゥクディルプ郡の村落にも拡げ漁網の配布を実施しました。さらに、水産資源の枯渇が懸念されており、持続可能な漁業につなげるために、エビやカニの蓄養、淡水魚の稚魚放流など簡易的養殖の導入を行いました。

2016年11月からは、ムライティブ県の中でとりわけ貧困が顕著な内陸に事業地を移し、マリタイムパットゥ、プドゥクディルプ、オトゥスターン、トゥヌカイ4郡の淡水池で漁業を営む漁民を対象に、資源管理と漁協強化による生活向上を目指した事業を実施しました。生簀を池に設置し稚魚を中間育成し漁獲量の安定を図り、コンピュータ研修や海外視察研修など様々な研修を実施して、漁民の収入の向上と漁協の強化を支援しました。

この事業は、日本NGO連携無償資金協力の助成を得て実施しました。

現地からの声

  • キジラプラム漁協 ラグーン漁用のカヌーと漁網を受け取った人の話

    キジラプラム漁協はこの地域でも最大の組合員数(450名)を抱える大きな漁協で、組合員の全員がムスリムの人たちです。 「キジラプラム村で生まれ、結婚したが、1990年に戦争で村を離れプッタラムに移った。プッタラムでも漁業をしていた。2010年にキジラプラム村に戻った。村では漁業とともに自分の土地で農業もできるのが嬉しい。農地は地雷除去作業中でまだ農業を始められない。現在は、漁具を借りてタンク(池)での漁を行っている。8月下旬からはパルシックから受け取った漁具(カヌーと漁網)を使って、ラグーンでのえび漁を始められる。自分が生まれ育った村に戻ってきてこうして家族と生活できて嬉しい。」

  • コクライ漁協 ファイバーグラス・ボートとエンジンを受け取った人の話

    コクライ漁協の人びとは、1983年に離村し、28年間の年月を経て2011年に村に戻ってきました。人びとは生活、コミュニティの再建を始めたばかりです。 「6月末にボートとエンジンを受け取ったが、7月は不漁で魚がほとんど獲れなかった。最近再び魚が獲れるようになり、先日は5日間漁に出て48,000ルピー稼げたが、このうちケロシン(燃油)などで40,000ルピーのコストがかかった。これまでは漁業労働者として雇われて働いていたが、今は自分の船で漁に出られるのが嬉しい。 2013年4月には、前半期にボート・エンジンを配布したコーヴィルクディルプ漁協で、蓄積された返済金を使い、新たに4人の漁協メンバーが、ネットなどを買うための資金として、50,000ルピーのローンを受け取りました。ボート・エンジンを受け取った各漁協は、リボルビング・スキームのための個別の銀行口座を開設し、返済金の管理、運用を行っています。」

プロジェクトレポート

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