パレスチナ・ガザ緊急支援のご報告:トイレの設置を進めています!
- コラム
2024年1月7日、イスラエル軍によるガザ地区への大規模な無差別攻撃は3カ月目に突中しました。同月5日時点で、ガザ市民の死者数は少なくとも2万2,600人におよび、そのうち7割は子どもや女性、負傷者数は5万7,910人におよんでいます。ただし、実際にはこれ以上の人が現在も瓦礫の下で救助されないまま亡くなっている状態です。さらにガザで避難を余儀なくされている人は、ガザの総人口約220万人の85%にあたる約190万人に上っています。そして避難先では食料、水、衛生用品、医薬品、防寒具などあらゆるものが不足しており、衛生環境の悪化により感染症が広がっています。
WHO(世界保健機関)によると、感染症患者は18万人以上、そのうち約14万人に下痢症状があると報告されています。また、パレスチナ赤新月社の報告によると、国内避難民となっているすべての子どもたち(約90万人)が、脱水症状、飢餓、消化器疾患、呼吸器疾患、皮膚疾患および貧血の危険にさらされています。
ガザ地区では大人から子どもまで極度に疲弊しています。大晦日の夜から元旦にかけてもイスラエル軍による激しい空爆が続きました。そのような中、タグリードから大晦日の夜に子どもたちの様子を伝えるメッセージが来ました。タグリードは子どもたちと一緒に年末にガザ中部にある自宅から、南部の親戚宅に避難しました。50人近くが身を寄せ合うなか、年長者は小さい子どもの面倒を見ています。タグリードの長女が甥っ子たちとおもちゃのお金やカードで遊んであげていた時の様子です。
「甥っ子は、私の娘に『僕のこのお金(おもちゃのお金)をイスラエル兵士に渡したいよ。そしたら彼らは戦争を止めてくれるかな』と言っていました。彼はわずか4歳です。この状況を想像できますか?また彼はトランプをしていて、『イスラエル兵士にこのトランプのカードを渡して、みんなを(トランプ遊びで)忙しくさせたいよ。そうしたら、彼らは誰も攻撃しないでしょう?』と。わずか4歳の男の子がこのようなことを言わざるを得ないのですよ。」
おもちゃのお金
ガザの人たちはこの戦争が3ヶ月も続くとは思っていなかったと言っています。小さな子どもたちでさえも心から停戦を望んでいます。
パルシックは一刻も早い停戦を求めるとともに、緊急支援として1月1日から現地NGOと協力してガザの人びとへの食料や衛生用品などの配付事業を開始しました。同時に、避難場所に安全に使えるトイレが不足しているため、皆さまからのご寄付で仮設のトイレを設置する準備を進めています(既に行った緊急支援のレポートはこちら)。
避難所に設置するトイレ
そして、昨年12月から開始した<パレスチナ連続講座>を続けていきます。今年も引き続きガザの人びとへ心を寄せてくださるとありがたいです。
※「ガザスタッフの声」はFacebookの「パルシックパレスチナプロジェクト」への投稿に変更となりました。ガザスタッフの最新の声をぜひご覧ください。
https://www.facebook.com/parcic.palproject
(パレスチナ事務所)
*この事業は、連合・愛のカンパおよびジャパン・プラットフォームの助成と皆さまからのご寄付により実施しています。