ガザ緊急支援:おむつ、テント用資材の配付
- コラム
2024年5月7日、イスラエル軍によるラファ地区への軍事侵攻が開始されて、同地区に避難していた150万人は、再度避難を余儀なくされています。戦争開始から8ヶ月目に突入し、既に10回以上避難をされてきた方も多い状況です。エジプトからの物資の搬入拠点となっていたラファ検問所およびケレム・アブ・サーレム(ケレム・シャローム)検問所をイスラエル軍が占拠し、食料や医薬品など命を繋ぐために必須の物資がガザに搬入されない状態が続いています。
おむつの配付
4月上旬、パルシックは皆さまからのご寄付で、2歳以下の子どもをもつ家庭135世帯におむつを配付しました。この135世帯には、昨年の10月7日以降に産まれた赤ちゃんがいる世帯も含まれています。ガザの全人口220万人のうち半数以上が感染症を患っている現在、保護者の方々は少しでも子どもの衛生状態を保てるように一生懸命頑張っています。しかし、消耗品のうえ大量に必要になるおむつの価格高騰が家計を逼迫し、おむつを手に入れるのに苦労する家庭が多くありました。
そこで、ガザ内で日用品を扱う業者の協力のもと、サイズが異なる3種類のおむつを用意して配付しました。配付の際には地域の商店の協力を得て、お店の一角を配付場所として借り、保護者の方々に商店に来てもらい、子どもの大きさに合うおむつを選んでもらいました。ガザの支援現場では物資配付の際に混乱が起きることがあるので、一度に配付場所に来る世帯の人数を調整して、受け取りに来る人たちとスタッフの安全をできる限り確保しながら配付しました。
おむつを取りに来たお母さんと赤ちゃん
おむつを受け取ることができ、お母さんも一安心した様子でした
商店の一角を借り、事前に配付をしていた引換券とおむつを交換しました
おむつは3種類のサイズを用意し、各家庭が子どもに必要なサイズを選べるようにしました
仮設テントの補強用ナイロンシートの配付
2024年3月から実施してきた仮設テントの補強用ナイロンシートの配付(前回記事参照)は、5月にデイル・アルバラ県およびラファ県で避難生活を送っている計120世帯に配付が完了しました。イスラエル軍によるラファ県への地上侵攻で、人びとは再度避難を余儀なくされていますが、配付したナイロンシートは折りたたんで持ち運びができるため、再避難先にも持って行って利用されています。
配付した補強用ナイロンシートで作った仮設テントの中の様子。夏の強い日差しを防ぐことにも役立っています
これからの夏の暑さで悪化する衛生環境に対応するため、パルシックでは食料や虫よけスプレーなどを含む衛生用品の配付を計画しています。どうか皆さまからの温かいご寄付のご協力をよろしくお願い申し上げます。
(パレスチナ事務所)
*この事業は、皆さまからのご寄付により実施しています。