1月11日（木）に能登町の避難所になっている松波中学校で、コーヒーや紅茶、お菓子の提供をしました。

松波地区は能登町の東部、珠洲市寄りの海沿いの地域です。瓦屋根と木造の家屋が多いこの地区でも、倒壊した家屋が多くあります。松波中学校からすぐのところにある松波小学校は被害が深刻で、避難所にすることも出来ない状況だと聞いています。

松波地区の通りの様子

松波で150年以上続く酒蔵、松波酒造も大きな被害を受けています

パルシックは、1月9日に松波中学校から個別依頼のあった物資を避難所へ届け、避難所の状況を聞き取りしました。

依然として断水は続いていますが、松波中学校には群馬県の大泉町から来たモバイルトイレがあり、ちょうど自衛隊によるお風呂が設置されたところでした。

モバイルトイレは個室が４つ設置されています

自衛隊のお風呂。９日はお風呂が開設された初日で、お風呂から出てきた人、お風呂に行く人の嬉しそうな笑顔が印象的でした

物資もある程度は届くようにはなっており、避難所では調理は出来ないため温かい食事は外部の炊き出しに頼っているけれど、パンなどの食事は届いているとのことでした。

これらの状況を踏まえ、何ができるのかを考え、避難生活が長引く中、少しでもホっとする時間が作れるように、コーヒーや紅茶、どら焼きやバームクーヘンなどの茶菓子の提供をすることにしました。コーヒー提供のための調整を行うと同時に必要な器具や食品を急いで買い揃えました。

避難所に到着し、車から荷物をおろしながら外でコーヒーや紅茶を淹れる準備をしていたところ、避難所で調整してくれた方が「コーヒーの香りがするのが良いから、避難所の中で淹れましょう」とおっしゃり、避難所の中で提供させていただけることになりました。

パルシックで扱う東ティモールのコーヒーをスタッフが淹れました

コーヒや紅茶、お茶菓子を提供する様子

コーヒーや紅茶、お茶菓子を提供する様子。取りに来られない方には、避難所の方が届けに行きました

コーヒーを提供する前は、皆さんに喜んでもらえるか不安な気持ちもありましたが、以前能登町で喫茶店を経営していた女性が「本格的なコーヒーを久しぶりに飲んで、うれしくって2杯も飲んじゃった」と話しかけてきてくださり、こういう当たり前のことがうれしい、美味しかったという声をいただき、私たちもうれしい気持ちになりました。

今回、避難所で避難生活を送る方や現場で支援するスタッフの方が少しでもホッとして欲しいという想いと共に、私たちのことを知って何かあったときに相談してもらえるきっかけになればと願い、コーヒーなどの温かいのみものの提供を企画しました。

1.5次避難や2次避難が始まり、被災地の状況もかなり流動的ですが、災害関連死の増加が懸念されています。指定避難所や自主避難、在宅避難されている方が少しでも安心して暮らせるように、出来る支援を続けていきます。

▼ 提供の様子がメディアに紹介されました。
避難生活に癒やしの時間を…体育館の一角にカフェ開設・シャンプーの「出前」も（読売新聞オンライン）

（東京事務所 小栗清香）

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