ガザスタッフからの声(12/1-12/4)
- コラム
戦闘が再開して3日が経過し、ガザ地区全域で昼夜問わず非常に激しい空爆が続いています。ガザスタッフ6名は12月2日時点で皆無事ですが、引き続き安否確認を継続しています。戦闘開始直後から、ガザ地区南部のハンユニス県には連日上空からイスラエル軍によるビラが投下され、市民の退避を誘導する文章が書かれています。そこには攻撃対象とする町が記載され、ガザ地区は番号で細かく区分されていました。しかし安全な場所はどこにもありません。ガザスタッフも、それぞれの区域を共有し合い、常に情報を収集しながら生き延びようと必死です。
マフムードが戦争開始直後に「もう地を這うことすらできない」と悲痛の声を届けてくれましたが、その言葉をまさに思い出します。一時停戦から一瞬にして大規模攻撃が始まり、鳴り響く激しい空爆音はガザの人びとを極度の緊張状態と恐怖心で締め付けています。特に空爆が激しいハンユニス県に避難しているアブダッラー、シャディ、ユセフと、イスラエル軍が事実上北部と南部に分けた境界線近くのヌセイラットにいるタグリードの声をお届けします。
12月1日
アブダッラーから
爆撃は私たちが避難している学校の100メートル以内で起こりました。学校に近い集合住宅地でした。幸い生きています。神様に感謝です。
シャディから
私たちが支援してきたアルカララ村も攻撃対象と指定されています。自宅の窓から見える景色は夜にも関わらずオレンジ色一色で、まるで火の海のようです。雨のように空爆が投下され続けています。
12月2日
タグリードから
どうか神様が私たち全員をお守りくださいますように。空爆音は非常に怖いです。2発の砲弾が自宅から約200メートル離れた北側に命中しました。空爆や砲撃が止まることはありません。
シャディから
ガザ地区への絶え間ない襲撃で、ハンユニス県に住む我々は多くのモスクや住宅が標的にされているのを見続けています。きわめて野蛮な侵略行為です。夜中に自宅の窓から空爆がはっきりと見えます。
アブダッラーから
- アルカララ村の集中投下は非常に恐ろしかったです。その間、まるで私もその空爆に飲まれている気持ちでした。アルカララ村の方向から銃撃音もはっきりと聞こえます。
- そして私たちの羊事業でタクシードライバーをしてくれていたニダールさんが殺されました。悲しみに暮れています。
- 私が今いるハマダシティでは、警告後に民間人が住むアパート5棟が集中的に空爆されました。
12月3日
ユセフから
自宅の窓からアブダッラーのいるハマダシティの空爆がしっかりと見えました。とても心配で胸が潰れそうです。外は爆撃音が鳴り止みません。今も外では空爆が雨のよう降り続いています。
シャディから
ハンユニス県の人びとは極度の恐怖で飲み込まれています。私も家族と共にラファ県に退避する予定です。既にアブダッラーはラファ県に避難しました。
タグリードから
本当に怖いです。これほどの空爆でもはや何を目的にしているか分かりません。ただ民間人を殺したいだけなのです。どうしたらいいのですか。外は連日の激しい空爆で霧のように薄暗くて、空爆による破片のような微粒子が舞っています。どうしたらいいのですか。
12月4日
ユセフから
- 絶え間なく続く空爆は本当に怖いです。どうか私たちのために祈り続けてください。ガザのためにできることは何でもしてください、お願いします。
- 昨日も新たに子ども3人を含む9人がアルカララ村から私の家に避難してきました。今自宅は95人ほどで身を寄せ合っています。こんな小さな家にですよ、誇りに思います。どこも安全な場所はありません。どうか神様がみんなを守ってくれますように。
ガザスタッフが共有してくれる動画や音声から、現場の緊張感がひしひしと伝わってきます。皆何とか生き残ろうと地を這うように少しでも安全な場所を目指しています。または、自分の家で生き延びようと必死に耐え続けています。どうか完全なる戦闘の停止、そしてそのための一刻も早い人質の解放となるよう、パルシックも日本政府に引き続き働きかけます。市民の皆さんの連帯の声が必要です。どうかお力添えのほど、よろしくお願い申し上げます。