ガザスタッフからの声（12/5-12/10）
- コラム
12月8日、国連安全保障理事会で即時停戦を求める決議案が採決されましたが、アメリカの拒否権行使により否決されました。一刻でも早い停戦を求めて、ぜひこちらをお読みの皆さまからもシェアいただき、ガザスタッフの声を広めていただけますと幸いです。
12月5日
シャディから
イスラエルによる砲撃は昼夜問わず激しく続き、ハンユニス県の人びとは退避を余儀なくされています。私たち家族は今日無事ラファの親戚宅に避難できました。アブダッラーも近くに避難しているようなので、明日無事か確認に行きます。私たちは無事ハンユニス県の中心部から避難できて安堵していますが、兄弟はまだハンユニス県の自宅に残っています。どうかみんなの無事を心から祈っています。
ユセフから
5回にわたる空爆が私の自宅から200メートル近い場所に集中投下されました。何とか私はまだ生きています。銃撃の音もはっきりと聞こえます。常に空爆や銃撃の音が自宅から聞こえ、刻一刻と最悪の状態に拍車がかかっています。戦闘車両の音も聞こえます。恐怖で潰れそうな中、必死に耐えています。
12月6日
タグリードから
私の住むヌセイラットで今日も空爆が2回あり、多くの犠牲が出ました。
ユセフから
イスラエルの戦闘車両が自宅から500メートルにいます。非常に危険です。
12月7日
シャディから
- ハンユニス県は連日空爆が続き非常に大変な夜でした。今日アブダッラーに会うことができました。私たちが避難したラファ県のタル・アス・スルタン（Tal as Sultan）と海岸沿いの中間地域には、いたるところに逃げてきた市民が簡易的に作ったテントがあり、状況は劣悪です。イスラエルの偵察機と海軍ボートからの攻撃の音が聞こえます。
- 食料はハンユニス県で調達して持ってきました。野菜の値上がりも異常です。ジャガイモ 1キロが通常約80円のところ約600円、ナスとトマトは通常約60円のところ約400円です。ガザの人びとはみんな生き残ることを望んでいます。軍事封鎖されていても自分たちで作り上げてきた戦争前の日常生活に戻りたいと切望しています。裕福な家庭は大金を払ってガザの外に出る手続きをしている人もいますが、私たちはみんなこの地で生き抜いていきたいのです。しかし、どう生き続ければよいのでしょうか。
12月8日
タグリードから
イスラエルの戦車は北部と西側の海岸からヌセイラットに侵攻してきました。子どもたちは戦車の音を聞くのは初めてで、本当に怖がっていました。私たちの地域で戦車を見るのは、1987年の第一次インティファーダ以来ではないでしょうか。極度の恐怖状態です。
ユセフから
現在も自宅周辺で、軍用車両、砲撃、実弾射撃の音など凄まじく激しい音が鳴り響いています。私たちはもう逃げることはできません。
12月9日
アブダッラーから
私たちはラファ県に避難して何とか無事です。食料を確保するために10キロ以上で歩いています。もちろん空爆下です。避難してから私たちの避難地域には行政からの水が来ず、歩いて遠方から水を運んでいます。
12月10日
ユセフから
私の自宅には95人が身を寄せ合っていましたが、私の家族と妻の家族以外の北部から退避してきた方たちはみんな避難しました。危険を伴う命がけの退避でした。近隣住民も可能な限り、行くあてもなくラファ県の方へ避難しています。パンを焼くための小麦粉がありません。今日こそは高くても何とか見つけて購入できることを祈ります。小麦粉はさらに値上がりし25kgで約1万6000円、飲料水は通常1000リットル約800円であったところ現在は9リットル約720円です。
タグリードから
- 昨日サハルがデイルアルバラ県から私の住むヌセイラットまで食料を買って訪問してくれました。空爆が増して非常に危険な中でも、命がけで届けてくれて頭が下がります。心から感謝しています。
- 私の地域では現在、小麦粉25kgは約12,000円です。サハルが持ってきてくれた砂糖1kgや豆缶12個など合わせて約15,920円を買い取りました。
- この金額は、通常だったら3週間以上の食料費に相当します。恐ろしく物価が高騰しています。 デーツ1kgは通常約640円のところ約1,800円、チーズ1個は約200円が約600円、国連機関からの牛乳は通常約400円が約1000円、肉は約280円が約600円です。本当にこの価格は異常です。しかし同時に、私の地域では見つけることができない食料や非常に高いものを、サハルが届けてくれて感謝してもしきれません。この物価上昇も何とかならないのでしょうか。