レバノンの山田君 ~インターン日誌~ Vol.7 休日の過ごし方
- コラム
みなさんこんにちは。レバノン事務所(元)インターンの山田です。
日本に帰国しておよそ9か月が経過しました。現在は東京にあるパルシックの事務所で、インターンをしています。
新型コロナウィルス、債務不履行(デフォルト)、ベイルート爆発事故などを経て、レバノンは大きく様変わりしてしまいましたが、インターン当時を振り返り、レバノンでの生活を懐かしむために、この日誌を更新していこうと思います。
今日は、休みの日の生活について。
「中東なんかで働いて、休みの日何してるの?国内旅行以外することなくない?」
レバノン滞在中、日本の友人によく言われていました。
東京とは違い、たしかに渋谷や池袋のような繁華街はありません。
それでも私が、レバノンでスクランブル交差点の雑踏を恋しく思うことはありませんでした。
ここでは、週末の過ごし方を一部ご紹介します。
まずは首都ベイルートの散歩から。あまり大きな都市ではないので、バスや自分の足で一日あればすべて見て回ることができます。
古い街並みやおしゃれなブティック、海沿いの並木道を歩けば、エリアによって全く異なる姿を楽しめるのも、ベイルートの魅力の一つです。
私のお気に入りは、海に面したレストラン。暑い夏の日に、波しぶきを間近に感じることのできるテラス席で、大好きなミントレモネードをいただきます。
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家から徒歩10分の場所にある博物館に行くこともしばしば。
鉱物博物館と呼ばれる、こじんまりとした建物には、世界中から集められた貴重な鉱石が所狭しと飾られています。
暗室で光り輝く色とりどりのクリスタルや結晶の展示は、鉱石に興味のない文系の私でも惹き込まれるものばかりでした。
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毎週日曜日には、ベイルート近郊のパレスチナ難民の子ども達と一緒に、サッカーをします。
子ども達のエネルギーに圧倒されて、終わるころにはへとへとに。
私はアラビア語がまったく喋れませんが、言語が通じなくても一緒にサッカーをすることでコミュニケーションが取れる、貴重な経験でした。
またみんなに会いに行きたいな。
次会うときには、背が伸びてサッカーももっと上手になっているでしょうか。
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ベイルートの外に出ることももちろんあります。
国土が小さい(岐阜県と同じ大きさとよく形容されます)ので、中央に位置するベイルートから南北の様々な街まで、大体二時間強あれば行くことができます。
世界遺産の遺跡を訪問したり、友人とドライブに行ったりしました。
北部の都市トリポリに住む知人に会いに行くこともあれば、きれいなビーチでゆったりと過ごすために南部のリゾート地スールという街へ行くことも。
スールは地中海を代表するビーチとして知られています。私は10月末まで海で泳いでいました。
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その他にも、ベイルートのバーで友人と歓談したり、レバノン産の珍しいお酒を飲みながらパーティーしたり、とにかく濃い毎日を送っていました。
そんなベイルートは、8月4日の爆発事故で大きな被害を受けました。
美しかった街並みは一変し、国籍関係なく多くの死傷者を出すなど、厳しい状況に置かれています。
友人に連絡を取ると、幸いなことに全員無事でしたが、それでも何人かの家は壊滅的なダメージを受けてしまったそうです。
パルシックは現在、ベイルートで被災者への食糧バスケットの配布を実施しており、皆様からのご寄付でレバノンでの支援を行っています。
皆様のご理解とご協力を、どうかよろしくお願いいたします。
(山田蒼太)