グルメレポート2 東ティモールのゼンマイ「カブラ(kabura)」
- コラム
東ティモールのゼンマイ「カブラ」
ニンニク、塩、ライムで味付けただけのシンプルな贅沢品
2回目は日本でもおなじみ、ゼンマイです。ちょっと違いますが、同じ食用シダ科の植物なのでゼンマイと称しておきます。東ティモールでもゼンマイを食べます。私個人の経験では日本にいるときよりも頻繁に食べます。ゼンマイはテトゥン語で「カブラ(kabura)」といい、響きにもなんだか馴染みがありますね。
ゼンマイを調理する、というと「アク抜きが大変でしょ」と言われますが、東ティモールのゼンマイはアク抜きをしません。指で適当な長さに切った後、ニンニクと一緒に油でいため、少し水を加えて煮立てたあと、塩で味付けをしたところにライム果汁をたらして出来上がり!とっても簡単なうえに、ライムの香りがさわやかな、しゃきしゃきとした歯ごたえの上品なおかずに仕上がります。
首都ディリから標高500〜600メートルほど山を登ると、沿道でよくこのゼンマイが売られています。一束25セントだったのが最近は50セントに値上がりしました。これがディリの市場に来ると束が少し小さくなります。前回の「クラウル」と並んで、市場で見つけると即買い!のおかずですが、味付けを濃くしてやはり付け合せ程度に出すのが一般的なようです。でもマウベシ事務所の食卓に山盛りのカブラを出した時はスタッフみんな喜んで食べてくれたので、もしかしたら贅沢品なのかもしれません。
(東ティモール事務所 伊藤淳子)