インターン黒沢 東ティモール日誌Vol.12 商品生産地を訪問!~バウカウ 後編~
- コラム
Botardi!こんにちは、インターンの黒沢舞衣です。
今回はバウカウでのアロマティモール商品生産地訪問、後半です!(前半はこちら)
次に訪れたのは「FITRI」という生産グループで、行ったときはちょうど3人のメンバーがクランチーピーナッツを揚げていました。クランチーピーナッツは人気の商品ですぐに売り切れてしまうので、なんと週に3回も作ります。
早速作業場所に行って、優しいお母さん方に作り方を教えてもらいました。大量のピーナッツを熱湯に入れて皮を取ったあと、卵と小麦粉を付けます。そのあと大きな鉄なべで揚げるのですが、暑い中高温の油の前でずっとピーナッツを混ぜる姿がとてもかっこよかったです……
アナトさんはグループに売上金を支払いながら、この生産グループは儲かっているのだと言っていました。リーダーの方はお金を子どもの学費の足しにしているそうです。このグループでは木曜と日曜の市場でピーナッツを200ドル分買うのですが、時期によって値段が違い、少ししか買えないときが大変だと言っていました。帰りの車の中で食べたクランチーピーナッツは、今までで一番美味しかったです。
ピーナッツの香ばしい香りに包まれていました
あとの二人は揚げ物中です(左はアナトさんと息子のゼノンくん)
そして宿泊しているナテルシアさんの家でも「TRM-OCA」というグループのバナナチップスづくりを見させてもらい、私も作業を手伝いました!使うバナナは緑色の大きなもので、皮は硬くてねばねばしているので包丁を使って剥きます。スライスカッターを、油を張った大きな鍋の上にセットして、スライスされたバナナが揚げられていきます。2度揚げたら仕分けをするのですが、量が驚くくらいに多くてとても大変でした。小さい物や壊れたものは家族や近所の人に売ったりあげたりするそうです。形の整ったものは重さを量って袋に詰めます。
訪れた時期はメンバーの多くが神様の家づくり(宗教的な建物で親戚総出で自分たちで作るそうです)に行っていたようで、メンバーではない家族も総出でチップスづくりをしていました。普段はタロチップスとクランチーピーナッツも作るらしいです。また、このバナナチップスはアロマティモールの商品としてパルシックを経由しディリで販売される以外にも、自分たちのパッケージでバウカウとディリの多くのお店に卸しています。
滞在中、私たちは毎日のようにお店を回って在庫を確認し、商品を運んでいました。ディリでもバウカウでもとても人気で、大量に作って高頻度で卸しても、すぐになくなってしまうそうです。しかし単価が安いのでそこまでの収入になるわけではないことと、一時期よりも売り上げは落ちていることを聞き、商売の難しさも感じました。
バナナを揚げているところ
バウカウのお店に並ぶオリジナルラベルのチップス
約1週間の滞在中、ナテルシアさん一家には大変お世話になりました。特にアナトさんにはたくさんの場所へ連れて行っていただき、たくさんのものを見させてもらいました。私は普段事務所で一人暮らしをしているので、東ティモール人の方の生活を体験できたのは嬉しかったです。生活についてはまた別で書こうと思います。
グループ訪問以外で一番思い出に残っている出来事は、コレメタンと呼ばれる、一周忌パーティーに参加したことです。会場には喪服のような暗めの色の服を着た人やそうでない人もたくさん集まっていました。暗い雰囲気なのかと思いきやそれはパーティーで、中央の机に並べられた料理を自由に食べ、喪主の方が挨拶をしたあと陽気なダンスが始まったのでとても驚きました。しかも社交ダンスで、一曲が始まるたびに男性が座っている女性を誘いに行きます。私はアナトさんに踊り方を教えてもらってその後何人かと踊ってみたのですが、息が全く合わず足がもつれてしまって難しかったです。しかしフェスタで踊ったという話は東ティモール人に非常にウケがいいので、習ってよかったです。
この人の多さは準備も大変そうです
家族の皆さんと。本当はあと3人います。真ん中左から2番目がナテルシアさん。いちばん後ろがアナトさん
今回はピクルスとハイビスカスティーを作っている「FENA」というグループは訪問できず残念だったのですが、バウカウの4つの生産グループを訪れて感じたのは、どの商品もとても丁寧に生産されていて品質が高いということです。しかし同時に原材料の価格変動や少ない販売数によって苦労していることや、グループによって売り上げに差があることも分かりました。ビジネスである以上、たくさん売れることに越したことはありません。どうしたらこの高品質で美味しい商品をもっと売ることができるのかと、帰りのバスの中でマーケティングの観点から今回の旅を振り返ったりしました。
(インターン 黒沢舞衣)