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東ティモール 美味しいコーヒーに出会う旅2022 参加者たちの感想文(2/3)

  • コラム

生産者と消費者を繋ぐ旅

東ティモール専門コーヒーショップ LUSH-COFFEE 吉⽥ 光佑さん

 国際資格者としての表舞台ということもあり、とても有意義なツアーであったと感じています。また、今回で東ティモールへ訪れるのは3 回⽬となりますが、新たに得ることのできた視点もございますので、こちらもあわせて『ツアーについて』『個⼈の感想』の2点で感想を述べたいと思います。はじめにツアーに対する感想ですが、こちらは『満⾜』の⼀点につきます。到着後は東ティモールの⾷事、散策、博物館訪問、場所を移してマウベシでは、集落の⽅々との密接なコミュニケーションを取るというコンテンツは、東ティモールや彼らの作るコーヒーに対して⾮常に感情移⼊することのできるものであったと感じたからです。消費国にいる⼈々に対してこの『⽣産者や⽣産国の背景を伝える』ということはコーヒーに対する価値観を向上させるために重要であると考えているため、⾮常に有意義に感じました。道中インドネシアVISAの問題やコロナ禍での特別なアクションの要求など、さまざまな障害はございましたが、これらを抜きにして、本ツアーの充実度はすばらしいものであったと思います。

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 次に私⾃⾝が感じたことを述べたいと思います。今回はQ グレーダーとして参加した⾯もあり、CQI が持つ考えを基にして、東ティモールの光景や彼らのコーヒーを⽬に、⼝にしていました。カッピングを通して感じたのは東ティモールコーヒーの可能性や魅⼒の多様性が広がっている点です。⽇本にいるだけでは流れてくることのない個性豊かなコーヒーが存在していました。これらのコーヒーを⽇本に持ち帰ることができれば、より、消費者の東ティモールに対する認知度は向上すると確信しています。⼀⽅、より、ミクロ的な視点を持って農家の⽅々と関わっていく必要があるとも感じました。スペシャルティ業界が集落や農園に焦点を当てているとは⾔え、まだまだ⼀⼈⼀⼈の努⼒や貢献といった点については、焦点や評価、マージンが⾏き届いていないと考えさせられたからです。この点は⻑年、東ティモールで彼らとともに暮らし、共同でコーヒーを⽣み出してきた伊藤さんだからこそ、お持ちの観点だと思いますが、私⾃⾝も持たなくてはならない視点だと感じました。私のコーヒー観に⾮常に影響を与える、良い機会であったと思います。

ツアー感想文

渡辺優香さん

 私は、将来は喫茶店を開いてより充実した毎日を過ごすことを目標に、コーヒー店を巡るなかでこの度、ご縁があってパルシックさんのツアーをご紹介いただき参加いたしました。お世話になっているコーヒー店は東ティモールコーヒー専門のお店でいろいろなお話を伺うなかで私は東ティモールに興味を持ちました。また、コーヒーについて勉強中だったこともあり、農園さんに一度は足を運んでみたいとも思っておりました。そのようなタイミングでとても良いいツアーに参加できた事に感謝いたします。

 ツアー参加前、いろいろな背景から東ティモールに行くことに両親からも心配の声がありました。海外経験のあまりない私自身も不安がありました。しかし、実際にツアーに参加して一番感じたのは、東ティモールの街や農園や集落の方のあたたかさでした。確かに、貧困や歴史的背景がまだ色濃く残っているもの事実です。ただ、実際に現地の方々と接して、おもてなしの心や人と人との繋がりの大切さ、仕事に対する勤勉さ。改めて自分自身を振り返りました。コーヒーを学びに行ったけれど、いろいろと考えさせられる旅となりました。  コーヒーフェスティバルでは、国のコーヒー生産を盛り上げようとたくさんの方が参加をしており、国民のコーヒー産業に対する期待値の高さを感じました。農園までは険しい山道を何時間も車で走ってむかいました。工場や倉庫の見学もさせていただいて、普段当たり前のように手に取るコーヒー豆がさまざまな人、物を通して時間をかけて消費者の元へ渡っている。頭ではわかっていても、現地に行ったことで私自身の見え方、考え方に変化が生まれました。このツアーに参加させていただいたこと、私が東ティモールに行って実際に感じたことを、これから一人でも多くの人に伝えたいと思います。それがツアーに参加させていただいたこと事への恩返しになると信じています。

 これからもご縁があればどこかで旅の話ができたらいいなと思っております。とても素敵な旅をありがとうございました。

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ツアー感想文

浅羽美緒子さん

 東ティモールがどこなのかも知りませんでした。途上国、内戦、治安、環境はどうなのか、コーヒーについても詳しくないけど、行ってみたい。パルシックが運営する「みんかふぇ」を訪れた時、このツアーのチラシを見てそう思いました。  

 長引くコロナ禍で、先の見えない不安のなか、自分が本当にやりたいことは何だったのかを考えるようになりました。亡くなった方、生活や環境が変わってしまった方も大勢います。そのなかで運よく私は影響が少ない方だったと思います。そう思うと、これからは少しでも何かの役に立ちたいと思うようになりました。

 趣味で習っていたアジア料理を通してそれぞれの国の文化や歴史、風習などを知るとともに、国や地域によって貧困や不平等などの問題があることを知りました。そして途上国の現状をもっと多くの人と共有し、良い方向へ変えていくために私にも何かできることがあるのか、そんなことを考えているときでした。まずは行ってみようと思ったのがこのツアーに参加する動機でした。

  ディリの空港に着くと強い日差しと蒸し暑さに東南アジアらしさを感じました。小さな空港を出ると大勢の人たちが集まっていたので、お祭りか何かの集いがあるのかと聞くと、外国へ出稼ぎに行く人を家族、親戚中が集まって見送りに来ていると教えてもらいました。

 空港から車中でディリの街の説明を聞きながらホテルへ向かいました。内戦で多くの建物が崩壊されたことなどパルシックの伊藤淳子さんがいろいろな話をしてくれました。街はコンクリート建ての小さな雑貨店や洋品店、スーパーやレストランが立ち並び、壊れたままの建物や何年も前から建設中というビルもありました。道路は3人乗り、4人乗りのバイク、定員オーバーの乗り合いバスなど多くの車が行きかっていました。海沿いを走っているとハエ除けの叩き棒を振りながら台の上にたくさんの魚を並べた魚屋が見えました。竿にバナナやパイナップルを下げて売っている人や市場もあり賑わっていました。昔の風景のような、街並みに懐かしさと安心感のようなものを感じました。

 大統領府、大学、博物館などの大きな建物が集まる区域もありました。大学の近くでは若い人たちが集まっていました。しかし大学や学校を卒業しても国内ではなかなか仕事に就けない現状があることを聞き、空港で見た光景もそれに繋がっていることを感じました。

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 パルシックが運営する「カフェ・アロマ・ティモール」もこの近くにあり、シンプルで居心地がよくコーヒーの香りが漂う店名通りの癒しの空間でした。若い店員さんが丁寧にコーヒーを淹れてくれました。英語ができる人もいて外国人と対応していました。こういうお店がこの国にたくさんできてほしいと率直に思いました。

 今回とても楽しみにしていたのが集落を訪問しコーヒー農家の方々と交流することでした。集落への山道はテレビで見る「秘境への道」のような、急な坂道を登ったり下ったりのアトラクションのような道を1時間かけて行きました。ドライバーさんの運転技術に感動したり、山のなかの家や畑や墓地、高台の風景、花や木々、崖や雨で増水した川を突破したり、すれ違う人達が笑顔で手を振ってくれたり、子どもたちが追いかけて来たり、初めての経験でとても楽しかったです。しかし崖崩れで修復されないままの道もあり、ここで自然とともに暮らす人達の大変さは、車に乗って喜んでいるような私の想像を遥かに超えるものでしょう。

 コーヒー農家さんを何軒か回らせていただきました。コーヒーの実はすでに収穫期を終えていたので、今度は赤い実がたくさん実っている時期に来てみたいと思いました。農家さん達が一生懸命に手入れした農園を誇らしげに案内してくださる姿がとても印象的でした。

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 宿泊させていただいた集落は山の麓にあり、広い草原に茅葺屋根の伝統家屋と建設中のかわいらしいカフェと馬。空気が澄んでいて涼しくて気持ちの良い所でした。ここで出会った人達も穏やかであたたかく、ずっと前から知っているかのように自然と私たちを迎え入れてくれました。美味しいコーヒーと食事を作ってくれたり、子どもたちと一緒に遊んだり、楽しい時間をすごさせていただきました。

 この静かな集落の人達も内戦の辛い経験があり、今に至るまで、そして将来へのさまざまな想いがあることを聞きました。独立を果たしたのはわずか20年前。ディリの民族抵抗博物館で見てきた内戦の生々しい展示は遠い昔の事ではないと感じました。

 パルシックの取り組みは、その辛い経験や想いに寄り添いながら支えてきたのだと感じました。単に援助の受け手として見るのではなく、現地の人自身を主体者として支え、強い信頼関係を築いていると感じました。長年に渡る相当な努力がなければ成し得るものではないと想像します。

 このツアーでパルシックの取り組みを通して本当に色々な事を知り、価値のある体験をたくさんさせていただきました。そのなかでとても心に残ったことは、飾らずありのままの姿で、東ティモールの人達のために奮闘する淳子さんの姿です。相手を理解しようとする姿勢、一人ひとりを大切にする振る舞い。その人柄があってこそ、東ティモールの人達との絆が生まれているのでしょう。私もこのツアーで得た経験を糧に自分らしく誰かの何かの役に立てることを形にしていきたいと考えています。

 再び東ティモールの皆さんにお会いしたいと思っています。

 そして東ティモールの皆様と今回出会った皆様の幸せと発展を願い続けています。

▼ 東ティモール 美味しいコーヒーに出会う旅2022  感想文集 目次

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