トルコ カフラマンマラシュ県の農村地帯での被災者緊急支援
- 活動レポート
カフラマンマラシュ県北西部ギョクスン郡の東部の農村地帯で食料および衛生用品の配付を行うことで、被災世帯の生活改善を目指しています。
被災地の現状
トルコ南東部に位置するカフラマンマラシュ県は、今年2月6日に起こったトルコ・シリア地震の震源地に近く、震災により甚大な被害を受けた県の1つです。県内では約6万8千世帯が住居を失ったと言われています。同県および他被災地では、現在までにトルコ政府が主要都市を中心に大規模な避難施設の設置を行っており、支援活動も主にこの様な施設に対して実施しています。しかし、政府の支援は、郊外や県内遠隔地へ未だ行き届いていないという状況です。
村の人たちの様子
ギョクスン郡東部
パルシックが活動するギョクスン郡東部は、乾燥した気候の平野部と山間部からなり、県内でも有数の農村地帯として知られています。主に小麦、トウモロコシ、テンサイ、りんごといった農作物を生産する農家が多く、また畜産業も盛んな地域です。今回の地震では、特に本震後のマグニチュード7.7を記録した、同県エキノズ郡を震源とする最大余震が起こった断層上に位置するため、大きな被害がでました。点在する村々で多くの住居が倒壊し、多くの世帯が未だ震災後のまま倒壊した家の脇に防災テント・コンテナを設置し生活しています。同地域では、散発的支援活動を除いては、未だ復興を見据えた建設的な支援活動が行われていません。また、村間での支援の相違も見受けられ、特に山間部やその近隣の比較的人口が少なくアクセスが容易でない村へは、被災の規模に関わらず、支援が十分に行き届いていないという状況です。
支援物資を受け取るための登録に集まった人たち
食料と衛生用品配付
この様な状況を鑑み、パルシックでは緊急支援として、ギョクスン郡東部の震源地に近い、特に被災が激しかった9つの村を対象に、食料バスケットと衛生用品の配付を行っています。1世帯4人あたりが1ヶ月に必要な量で計算し、衛生用品に関しては、各家庭内のメンバーが平等に支援を得られるように、特に女性用品と乳幼児とお年寄り用のオムツに重点を置き、定期的な配付を行っています。
食料バスケットを渡しています
トルコでは、現在物価上昇による慢性的なインフレ、それに伴う生活必需品の価格高騰で、国内全土で一般家庭への経済的負担が大きくなっています。本事業対象地では、今回の地震で住居倒壊の他、畜舎の倒壊により家畜を失うなど、これまでの生活基盤を無くした世帯が多くあります。この様な状況に対し、食料と衛生用品といった生活必需品の配付を通し、被災世帯の経済的負担をできる限り減らすことができればと考えています。
トルコ・シリア地震緊急支援 寄付ページへ
(トルコ事務所 土橋弘)
*この事業は、ジャパン・プラットフォームの助成と皆さまからのご寄付で実施しています。