特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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ガザ緊急支援:子どもたちへ、暖かい服と学びの場所を

  • 活動レポート

ガザ地区では1年以上、イスラエル軍からの大規模な無差別攻撃が続いています。ガザ地区の人口220万人のうち190万人が家を追われて国内避難民となり、202411月時点で、中部デイル・アル・バラ県には約75万人が避難していると報告されています。

11月からガザでは寒い雨季が始まりました。パルシックは皆さまからのご寄付で、子どもたちへの暖かい衣服の配付と小さな学校の建設の準備を進めています。

衣服の配付

これまで何度も退避を繰り返してきたガザの住民の多くは、暖かい衣類を何着も持ち合わせていません。破壊された家に服を取りに戻ってもすでに盗まれていたり、新しい服を購入したくても価格が高くて買えなかったりして、同じ服を何日も着続けて汚れやほころびがひどくなっています。

1年以上続く戦争で、十分に栄養を取ることができずに、ガザの人口の半数が急性感染症に陥っていると報告される現在、暖かい衣類も足りず、特に子どもたちは寒さから身を守ることができない厳しい状況が続いています。

現在パルシックは、5歳から11歳の子どもを対象とした暖かい衣服の配付準備を進めています。

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洋服店を訪問し、冬用の衣服の品質を確認しているパルシックのガザスタッフ

小さな学校の建設

ガザ地区では、学校の多くが避難所などに使用されているため、子どもたちは1年以上にわたり、公教育を受けることができていません。国連機関やNGOが、子どもたちが勉強する場を設ける活動を行っていて、ガザの青少年もボランティアとして加わり、音楽や絵画、ゲームを通して、子どもたちの教育と心のケアに取り組んでいます。

12月2日、パルシックのガザスタッフはデイル・アル・バラ県のテントの学校3校を訪問しました。そのうちの一校は、安価なナイロンシートなどを壁代わりに使用しているために、子どもたちが寄りかかって穴が開いてしまい、隙間風や雨が入ってくることが頻繁にありました。「このままでは子どもたちは寒くてテントの学校に来なくなり、勉強を中断することになるのではないかと心配です」と先生たちから不安の声がありました。

そこで、避難先で寒い冬にも子どもたちが学び続けられるように、小さな学校を建設することにしました。

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訪問した学校の一つ。壁にパレスチナの国旗やパレスチナを象徴するオリーブ、ポピーの花、カフィーヤ(スカーフ)を被った子どもなどが描かれている

ガザスタッフが学校などを訪問した先で目にした光景は、厳しい環境下でも一生懸命学ぼうとする子どもたちの姿でした。狭い学校の、電気もなく暗くて寒い室内で、子どもたちは小さな体を寄せ合って学んでいました。また、敷物もなく地面に直接座って勉強している子どもたちや、屋外の階段で授業を受けている子どもたち、ナイロンシートを張っただけの天幕の下で勉強している子どもたち、さらには破壊された車のなかで勉強する子どもたちもたくさんいました。

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屋外の階段に座って学ぶ子どもたち

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ナイロンシートを天幕のように張っているだけなので、横からに雨風にさらされます

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劣悪な環境のなかでも、子ども達が元気にアクティビティを行う姿も見られました

一刻も早く、丈夫な学校を建設できるようにと、畜産専門家でありながら建築を得意とするガザスタッフのマフムードが、今回も建設の中心となって活躍しています。マフムードはこれまでも緊急支援で仮設トイレの設置(記事:https://www.parcic.org/activity/staff/column/20240214.html)や、避難先でも乳製品作りを続ける女性組合の作業場の建設を指揮してきました。他の団体が建てた雨風に強い学校やテントの仮設モスクなどを訪問して情報収集を行い、34部屋ある小さな学校の設計図を作成し、必要な資機材の洗い出しや建設業者の選定など、準備を進めています。

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頑丈なナイロンシートで建てられた仮設モスクを訪問して、設計方法などを聞き取る様子(写真中央がマフムード)

ご支援いただきました貴重なご寄付だけではなく、皆様の温かい想いも一緒にガザの子どもたちにお届けします。引き続き、子ども服の配付や学校建設の様子などをSNSでも発信していきますので、変わらぬご関心とご協力をいただけますと幸いです。

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