ガザ事業:家庭用チーズ作り研修@ハン・ユニス
- 活動レポート
ガザ地区において2018年度から継続的に実施している「酪農を通した女性グループの生計支援」事業。2018年度は、ラファ地区の22の女性グループを対象にしていましたが、2019年度は、ハン・ユニス県ギザン・ラシュワン村及びナッジャール村の7つの女性グループが活動に加わりました。
羊の畜産や酪農を新たに開始した女性グループを対象に、家庭でも出来るチーズ作りを学ぶ1日研修を2月に開催しました。研修では羊のミルクの搾乳方法から始まり、ホームメイドのチーズ作りを実際に調理しながら学びました。パレスチナでは、羊のミルクから塩漬けにしたセミハードのホワイトチーズもしくはお菓子用の柔らかいスイートチーズを作るのが一般的ですが、今回はピリリとしょっぱいホワイトチーズ作りに挑戦しました。
研修では、原料に加えるべき材料や、チーズを作り包装した後の適切な保管方法など、いろんなトピックを学びます。講師の畜産専門家からは、正しい方法で搾乳を行うことの重要性や、良質で衛生的な搾乳方法について、強調して説明されました。昨年実施した羊飼育研修でも学んだ、製品を市場に出す前にまず消費者のニーズを研究し、市場と原材料のコストに基づいて価格を決めることの重要性も併せて復習しました。
参加者は新しい技術の習得にとても意欲的で、パルシックの畜産専門家と一緒になって、ミルクの低温殺菌処理や不純物の除去、チーズ作りを楽しみながら参加していました。
ここまで読んでくださった皆さん、もうすでにお腹が空いてしまったことでしょう!チーズ作り研修の現場から届いた写真を是非お楽しみください!
畜産専門家がミルクの搾乳機のパーツと使用方法について説明しています。
チーズ作りの最初の工程は、ミルクの低温殺菌処理です。家庭でもできる簡単な方法を紹介します。ミルクを68~72度まで熱し、その後容器をコンロから直接冷水に移して、温度が40度に下がるまで急速に冷やします。
低温殺菌処理した後のミルクは暖かい場所に40分間置いておきます。布で覆うことで、固形化させます。
布でフィルタリングしたあと、チーズを筵(むしろ)のマットに移し、筒状にします。その後、マットを押さえてチーズの水分を絞り出します。これがカット前の出来上がったチーズです。
素晴らしいチーズを作るため、一生懸命にやったからこそ、カッティングはわくわくする作業ですね!
製造工程をすべて終えた後は、作ったホワイトチーズの試食タイム。美味しそう!
現在、対象女性グループのメンバーがチーズ作りを行う女性協働組合の立ち上げを準備していますが、今後この組合メンバーを対象に、機械を用いたより質の高いチーズ作りの研修を実施する予定です。
※この事業は、外務省のNGO連携無償資金協力の助成および皆さまからのご寄付により実施しています。
(パレスチナ事務所 ヤラ)