2023年度のフードパントリーの変化
- 活動レポート
フードパントリー利用希望の増加に合わせて
みんかふぇフードパントリー担当の小柴です。
現在、みんかふぇフードパントリーは、月2回、第2第4水曜日に開催しており、お米やレトルト食品などの保存食、規格外のお野菜などを、お申し込みのあった世帯にお渡ししています。お配りするものは基本的に、企業、個人、フードバンク、農家さんなど多様な団体・個人の方々からご寄付としていただいたものです。
会場の様子
たくさんのご寄付食材
近隣のベーカリーカフェからのパンのご寄付
現在1回の開催で50~60世帯ほどのお申し込みがありますが、一時期は、60~70世帯ほどのお申し込みがありました。昨年の年末などは約80世帯のお申し込みがあり、配付上限数の65世帯を大きく上回った為、お申込みいただいた多くの方々にお断りの連絡を入れることになりました。その時期に比べると申込み数が減ったのですが、フードパントリーの需要が減ったわけではありません。利用者の皆さんにご協力をお願いしたのです。
みんかふぇフードパントリーの利用は「登録制」なのですが、以前から登録されている方々に今年の2月に「再登録」をお願いしました。その際に利用対象を見直し、これまでは「葛飾区内にお住まいでお子さんのいる世帯、高齢者で食費の負担にお困りの方など」としていたのを「葛飾区在住で食費の負担にお困りの方(基準:非課税世帯、児童扶養手当受給世帯に該当、もしくは準ずる経済状態)*証明は不要」としました。生活に困窮している方によりフォーカスを当てることにしたです。
そして、利用者の皆さんに正直に、みんかふぇフードパントリーが対応できる申し込み数を越えつつあることをお伝えし、より生活に困窮している方を優先出来るように、生活に余裕に出てきた世帯がいらっしゃったらご辞退いただけないかと協力を仰いだのです。
対象を見直し、再登録を利用者の皆さんにお願いするまでには、みんかふぇのボランティア、スタッフで議論を重ねました。立場や考え方は違っても、皆、「出来ることなら食料を希望する方全員に渡したい」「これまでのご縁を大切にしたい」「食料を渡すだけでなく、人の繋がりの輪が広がっていくようなフードパントリーでありたい」という思いは共通だったと思います。そんな思いのなか、食料を渡せる数の限界にどう対応していくのか。さまざまな意見が出ましたが、最終的には利用者の皆さんにご協力いただくかたちに落ち着きました。
準備や配付作業はボランティアさんたちが中心に担っています
辞退してくださった利用者の方のなかには、最後の利用日に「今までお世話になりました」と声をかけてくれる方もいらっしゃいました。声をかけていただいた時、寂しく申し訳ない気持ちになりました。ですが、辞退してくださった方々には「うちより困っている人に譲ろう」というお気持ちがあったかもしれないと考えると、これも『お互いさまの助け合い』のひとつと考えることが出来ます。
みんかふぇのコンセプトのひとつとして『お互いさまの助け合い』があります。フードパントリーを利用することは特別なことや恥ずかしいことではなく、『お互いさまの助け合い』のひとつであって、ちょっと困った時に利用する、ちょっと余裕のある時には何かのかたちで貢献する…そんなかたちが理想ではないかと私たちは考えています。
これからもフードパントリーの利用希望者は増え続けることが予想されますが、今後もみんかふぇフードパントリーのかたちを議論する際に、『お互いさまの助け合い』のコンセプトを大切にしたいと改めて思いました。
昨年11月に、毎月お野菜をご寄付下さっている農家さんの収穫祭に参加しました。左上が農家の方、右下がみんかふぇのボランティアさん
(みんかふぇスタッフ 小柴麻実)
*この事業はニッセイ財団、赤い羽根共同募金、こども未来応援基金からの助成と皆さまからのご寄付で実施しています。