レバノン 子どもたちの教育センター開校!
- 活動レポート
レバノンでのシリア難民支援として、2016年度は食糧支援と越冬支援を冬に行っていましたが、2017年度は新たにシリア難民の子どもたちを対象とした教育支援を実施しています。
事業地のベカー県バレリアスには、パルシックの提携団体が世帯訪問して調べた結果によると、少なくとも約2,000人の就学年齢のシリア難民の子どもたちが暮らしています。しかしこの中でレバノンの公立学校に通えている子どもたちは、わずか約800名と非常に限られています。その理由はさまざまですが、1つは公立学校でのレバノン人以外の生徒の受け入れ体制づくりが追いついていないということ、もう1つはシリア人世帯の経済的な理由から、交通費が出せない、あるいは子どもたちにも働きに出てもらわなければならないという深刻な状況があります。このような背景から、パルシックは教育を受ける機会が失われた状態の子どもたちへ基礎教育を提供し、今後彼らがレバノンであるいはシリアで教育を受けられる機会が得られた時、その学校や状況にすんなりとついていける状態をつくるための支援を行うことにしました。
現地での調査や情報収集を2016年夏のはじめに開始し、仮設教室の完成に至るまで、たくさんの人びとの努力と協力によってこの教育センターを10月に開校し、子どもたちを迎えることが出来ました。
新学期が始まったばかりの子どもたちのようす
テントに暮らす家庭を訪問し、各世帯の情報を収集(2017年7月)
建設中の風景。シリア難民の方たちが作業のために雇用されています。(2017年9月)
センター長マージッドさんへのインタビュー
今後この教育センターのセンター長として活躍してくださるマージッドさんよりメッセージをいただきました。
「非常に短い期間での教室の建設と準備となり現場のスタッフたちは大変でしたが、教育センターに通う子どもたちの為に開始できたことをとても感謝しています。この教育センターに通う子どもたちの中には、つらい記憶を持つ子どもたちもおり、センターでの教育の果たすべき責任は非常に大きいです。」
インタビューに答えて下さったマージッドさん。シリアで20年以上教育の仕事をされていた。
人びとの思いのたくさんこもったこのセンターで、子どもたちの成長を今後もサポートし、皆さんにお伝えしていきます。
(レバノン事務所 宮越)
※この事業はジャパン・プラットフォームの助成と、みなさまからのご寄付で実施しています。