新学期の始まりと学校への越冬支援
- 活動レポート
パルシックが支援する学校の新学期
12月。レバノン北部のアルサール市にも、本格的な冬が近付いてきました。
レバノンは現在雨期のため、冷たい雨が続きます。12月後半にはマイナス3度まで下がる日も出てくる見込みです。この時期は毎年雪が降り積もり、市内の難民キャンプで暮らす人びとの生活をより過酷なものへと変えていきます。
そのような状況下でも、アルヌール学校では、パルシックが昨年に引き続きシリア難民生徒の教育支援を行うことが決まり、先生たちが新学期に生徒を迎えるべく、忙しい日々を送っていました。今学期も生徒が楽しく学んでもらえるよう、2週間かけて先生同士で何度も話し合い、手分けして授業の準備を進めていました。
教科書を準備しています
教室を飾る先生たち
先生たちの力作!
先生と生徒が待ちわびていた新学期の初日。 「ようこそアルヌール校へ」と書かれた手作りのアーチを抜け、子どもたちが元気に登校してきました。久しぶりに先生や友人に会えて笑顔になる子や、中には初めてアルヌール校に来て緊張する子の姿も見られましたが、教室全体が、明るい希望に満ちています。
初日は、アイスブレイクとして工作をしたり、フェイスペイントをしたり、様々な質問が書かれたボールを回して答え合うなどのワークショップを実施しました。
初日の様子
ワークショップを楽しんでいます
ある生徒は、「久しぶりに学校に来られてとてもうれしい。勉強を続けて、将来は先生になりたい」とうれしそうに語ってくれました。アルヌール学校の子どもたちはこれから、アラビア語や算数、理科、英語などの科目をはじめ、様々な活動を通して学びを深めていく予定です。
アラビア語で質問が書かれています
新学期の写真撮影会
アルヌール学校に暖房用の灯油を届ける越冬支援
日々寒さが厳しさを増すアルサール市。コンクリートが打ちっぱなしで断熱材もなく暖房のない教室は底冷えするため、子どもたちは各自の防寒具で何とか寒さを凌いでいます。
アルヌール学校では、現在3つのシフトを設け、レバノン人とシリア難民の子どもたちが通っています。今回ご紹介したパルシックが支援する子どもたちは、3つのシフトのうちの一つに通っており、この事業の予算で暖房用の灯油を配布する予定です。しかし、他の二つのシフトに通うレバノン人とシリア難民の子どもたちの教室には、この冬、灯油の入手の目途がたっていません。
子どもたちが冬でも暖かく過ごし、安心して授業を受けられるような環境をなんとか整えたい。 アルヌール校の子どもたちに暖房用の灯油を届けるための越冬寄付キャンペーンは、まだまだ継続中です。目標金額の150万円突破を目指し、今後もアルヌール学校やレバノンの様子の発信を続けていきます。
皆さまからの温かいご支援を、ぜひよろしくお願いいたします。
新学期の様子や、越冬支援に向けた先生たちからのメッセージ
パルシックTwitterアカウントでもレバノンの様子をつぶやいています。
すでにご寄付をいただいた皆さまには、心より感謝申し上げます。
(レバノン事務所 佐藤)
※この事業はジャパン・プラットフォームからの助成と皆さまからのご寄付で実施しています。