2024年夏の清泉女子大学マレーシア・フィールドワークを終えて
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2024年8月21日から30日までの10日間、清泉女子大学のマレーシア・フィールドワークに協力しました。コロナ禍で催行できなかった年もありましたが、2015年に開始してから10年目となります。今年は5名の学生が参加しました。
クアラルンプールから入り、最初にクアラルンプールでロヒンギャの子どもたちの学校の訪問や街歩きをした後、学生たちだけで電車でペナンに移動し、残りの1週間をペナンのジョージタウンと半島側の漁村で過ごしました。
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ペナンのホストファミリーと食事を囲む学生たち
「マレーシアは多民族・多文化社会であることを実感しました。しかし、街を歩くと、それぞれのコミュニティが明確に分かれていて、全てが混合しながらも共生していないように感じ、大変興味深かったです。」
マレーシアのフィールドワークを終えた参加学生の感想です。実際に行ってみないと理解できない経験を、短い期間ながらも感じて過ごした10日間だったと思います。英語の学習だけではなく、世界の縮図はペナンにはあると、講義と体験から学びました。
マレーシア人のギャレス先生からは、「なぜマレーシアのペナン島で貿易が盛んに行われたのか」、「なぜいろいろな民族が住むようになったのか」などの講義を受け後、残りの半日は現地の大学生たちと共に実際に街歩きをして、モスクやインド寺院、中国寺院などを訪ね、イスラム教や歴史について体感しながら学ぶことができました。
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ギャレス先生の講義の様子
マレー人の人たちが住む村にもホームステイをし、マレー料理を手で食べる経験をしたり、漁村の問題を知ることもできました。
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ホームステイ先の家族と集合写真
最後の日はマレーシア科学大学(USM)を訪ね、異文化交流をし、楽しく有意義な時間を過ごしました。
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USMの学生との文化交流
ギャレス先生の最後の講義では、学生各自によるフィールドワークを締めくくるプレゼンテーションがあり、マレーシアの文化についてや、学校の教育システムについての発表が主となりました。特に印象的だったのは初日にクアラルンプールで訪ねたロヒンギャ難民の子どもたちについての発表でした。どうしてここマレーシアで生活しているのか背景を知り、マレーシア政府は認可していない難民の子どもたちにどのような教育をしていけるのかなど、また、マレーシアと日本の教育システムの違いは?ということなどより深くみんなで共有することができました。
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ロヒンギャ難民の子どもたちの状況について発表する参加学生
学生一人一人が「これからの自分自身の生き方や将来に向き合ういい機会になった」と前向きに話し、それと同時に「自分の国の歴史や文化を現地の学生のように話せないことにも気づけたことは、このフィールドワークでなければ知ることもできなかった。他の国を知ることは自分の国を知ることにもつながる」と話していたのがとても印象的でした。
(マレーシア現地スタッフ: オヴァートン恵)