雨期が明けて
- 活動レポート
こんにちは。パルシックのミャンマーチームです。
パルシックでは、ミャンマーの国内避難民・脆弱層の方に、食料を配付したり、子どもたちに文房具を提供したりしています。
ミャンマーの雨期のピークは8月頃。この時期、ミャンマーではものすごく雨が降ります。あまりの雨に、食料を運ぶことができず、8月は泣く泣く配付を断念。9月になってもまだ雨は続きましたが、なんとか食料や文房具を運びました。しかし、簡単ではありませんでした。
食料を運ぶために舗装された道路を使うと、攻撃される可能性があります。そのため、山道をせっせと行かねばならないのですが、雨がたくさん降ったあとなので、道がとてもぬかるんでいます。
ぬかるんだ道
現地スタッフの一人は、ぬかるみにはまって靴が壊れてしまいました。雨期は虫も多く、血を吸われたスタッフもいました。
虫に血を吸われている様子
こんな道では大きいトラックは使えず、バイクに米や文房具を積んで、運んでいます。深い水たまりも、バイクは平気で走っていきます。
虫に血を吸われている様子
米を積んだバイク
そして10月、ようやく雨期が終わりにさしかかったと思いきや、Operation1027(3つの少数民族武装勢力を中心とする軍事作戦)が始まりました。戦闘は激しさを増し、道路が封鎖され、またもや移動が制限されるようになりました。
パルシックの活動地域の近くでは、国軍支配地域の中心部に居住していた人までもが避難を始めました。しかし、道路封鎖のため、逃げたくても逃げられず、避難の準備をして時機をうかがっている人もいます。
そして、新年を迎えました。
2021年2月のクーデターの後、2023年末までに、少なくとも4,270人(うち子ども503人)が殺害され、何千もの家屋が燃やされました。2023年12月18日時点で、約291万人が家を追われました。
ある現地スタッフ曰く、
「ことわざにもあるように、”Everything has its own time.(物には時節)”。諦めないで、社会が良くなるように協力し合えば、これらの不幸と悪夢が終わり、より良い日々が待っているという希望はまだあります。新年を迎えるにあたり、憎しみや復讐、否定的なものを捨て、その代わりに優しさ、そしてより良い未来への希望を分かち合うことが大切なのです。」
パルシックでは2023年、5回のミャンマー講座を開催しました。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございます。過去のアーカイブはこちらからご覧ください。
- 2023年7月「追いつめられる軍政?-クーデターから2年半、続くミャンマー市民の抵抗」 根本敬さん(上智大学名誉教授)https://youtu.be/xH9S5PUymls?feature=shared
- 2023年8月「映画監督から見たミャンマー」藤元明緒さん(『僕の帰る場所』『海辺の彼女たち』映画監督)
https://youtu.be/9b9FaQKxJUM?feature=shared
2024年も引き続き、ミャンマーの人びとに寄り添い、連帯し、活動してまいります。どうぞ応援よろしくお願いします。
(パルシック東京事務所)