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[開催報告]<~知る・繋がる~ミャンマー連続講座2022> 第1回 ミャンマーのクーデターから1年5カ月:悪化する状況のなかで正義と希望を追究する

  • 活動レポート

6月24日に開催しました「~知る・繋がる~ミャンマー連続講座2022」の第1回は上智大学の根本敬先生をお迎えし、「ミャンマーのクーデターから1年5カ月:悪化する状況のなかで正義と希望を追究する」という題でお話しいただきました。たくさんの方にご参加いただき、ぜひアーカイブを見ていただきたいところですが、本記事では、お話のテーマのひとつである「希望」について、少しだけご紹介します。

Parcic YouTubeチャンネルでアーカイブも公開しています!ぜひ、ご覧ください。

2021年4月16日にクーデター政権への対抗政府として発足した国民統一政府(以下、NUG)は国民の強い支持があり、オンラインを使うことで会議をしたり、外国政府や市民と会ったり、税収を得たりしています。 2022年1月にはNUGをさらにバックアップする組織として、挙国一致諮問委員会(National Unity Consultative Council: NUCC)の第1回全国会議が開催されました。

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しかし、いくらNUGが国民に支持され正統性があったとしても、NUGはオンライン政権であり、実効支配をしているのは現政権です。そのため各国は、ミャンマーに大使館を置いたりミャンマーにいる自国民の安全を確保したりするためには現政権を認めざるを得ず、NUGを承認した国家はまだありません。

しかし、NUGの発表によると、現政権による実効支配地域は徐々に減っています。もともと少数民族武装組織が活動していた山岳高原地帯だけでなく、現政権の力が強い平野部の一部でも、NUGにつく市民防衛隊(PDF)が支配し始めているのです。

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今も国軍による弾圧は続き、2022年6月18日時点で2091人の市民が殺害され、75万人が国内避難民となっています。ミャンマーの人びとの未来が失われないために、国際社会は、国軍の収入減にターゲットを絞った人権制裁に日本を含め一つでも多くの国が舵を切り、ミャンマーへの武器禁輸を強化し、NUGの海外事務所を公的認知し、将来的にはNUGの政府承認も視野に入れるという方向で動く必要があります。

最後に根本先生は、ミャンマーの人に何かをしてあげるのではなく、共に支えあうという気持ちを持ち続け、いろいろなものを学んでいきたいと、お話を締めくくってくださいました。

以下に参加者の方からの質問と根本先生の回答をいくつかご紹介します。

Q: どういう人が軍人になっているのか?このような状況で、なり手はいるのか?

A: 徴兵制は無く、兵士は志願制。家族の1人か2人が兵士になると、基地の中に住むことができ、病院や購買所を利用できるという社会福利厚生のため、農村の貧しい家族が志願することが多い。数年の任期が終わると村に戻り、兵士の間に貯めたお金で店を開くこともある。一方、将校は士官学校で教育するが、世襲制ではないので、誰でも試験を受けて士官学校に進むことができる。しかし国軍に入りたいと思う人が減り、試験の競争力が落ちている。その結果、脱走が起きないように国軍内部の取り締まりが厳しくなり、市民の側につきたいけれども脱走できないから自殺したという兵士もいる。

Q:オーストラリア政府はミャンマー国軍若手士官を留学生として自国の大学に受け入れていたが、クーデター後に中止し、今年に入ってからは国軍を離脱した将兵を難民として受け入れている。一方で日本の防衛省はミャンマー国軍将校を留学生として受け入れ続けていることに関し、日本政府にオーストラリアを見習ってもらうために、私たちには何ができるのか。

A: 今年2月に防衛省職員に直接質問する機会があったが、暖簾に腕押しで、まともな回答を得られなかった。私たち一人一人があらゆる方法を使って日本政府に訴えていくしかない。身近に政治家と接触があれば、ことあるごとに訴えていくべき。

Q: (参議院選を前に)ミャンマーの民主化に協力的な政党を教えてほしい

A: 超党派の議員組織としてミャンマーの民主化を支援する議員連盟がある。しかし名前だけの議員もおり、議員連盟に入っていなくても民主化に寄り添う議員もいるかもしれないことから、候補者や政党をよく調べて投票してはどうか。

(パルシック東京事務所)

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