新たに有機転換をはじめる紅茶農家への基礎研修を実施
- 活動レポート
スリランカ南部デニヤヤで、有機紅茶の生産性と農家の収入を上げるためのプロジェクトを開始してから、7カ月が経とうとしています。
この間に、土壌の質を改善するために、農家がネパールで有機堆肥作りを学びました。またこれまで茶葉の加工をお願いしていたところ以外に、新たな加工場とも取引を開始しました。そちらの加工場では、茶葉の摘み方や土壌の肥沃度を上げる液肥づくりについての研修を受けることができました。有機堆肥、液肥はそれぞれ用途や効果に違いがあります。研修を受けて農家は今、各々に有機堆肥、液肥の試作を進めています。
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試作中の液肥
さらに、このプロジェクトはスリランカの政府機関の協力を得ながら実施していますが、政府機関の茶の栽培の専門家がデニヤヤを訪問した際に、「畑に植わっている茶木の間隔が開きすぎているので苗木を加えて植えて、間隔を詰めたほうがいい」とのアドバイスを得ました。早速、助言に従って、12月末に茶木の苗木を配付し、受け取った農家は圃場に植えました。
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苗木の配付
こうした農家の新たな取り組み、圃場の変化、新しい加工場への期待が他の農家にも伝わっていること、またパルシックのフィールド・スタッフが定期的に村を回って地域の農家と話す機会が増えたことから、これまで事業に参加できていなかった農家も有機農業に興味を持ち始めています。
新たに20人の農家からエクサの活動に参加したいとの申し出があり、1月23日に新規参加農家を対象に、有機農業の基礎研修を行いました。「有機農業とは」という座学の講座のほか、自ら工夫をして圃場を改善しようとしている農家の圃場を見学するなど、エクサが取り組んでいる有機農業の基礎について学びました。
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有機農業について話を聞く新規参加農家
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先輩有機農家の圃場を見学する新規参加農家
基礎研修を受けた農家の一人のパティラナさんは、「夫と一緒に茶農家をしている。地域を流れる水の汚染を防ぎ、豊かな自然環境を守るために、有機転換に取り組みたいと思った。これから有機堆肥や液肥による土壌の改善と適切な茶木の管理を行うことで、生産性を上げて、収入が増えるようにしていきたいです」と、参加の動機と今後の期待について話してくれました。
これからも、圃場改善のための研修の実施やその普及、圃場のモニタリングを通して、農家の活動に協力していきます。
(スリランカ事業担当 西森光子)
*この事業はJICA草の根技術協力事業の業務委託を受けて実施しています。