#9 有機認証について
- 活動レポート
アーユーボワン(こんにちは)!
デニヤヤでの有機転換事業が今年度で4年目に入ります。昨年から、エクサ(デニヤヤで有機転換に挑戦している生産者グループの名前で「一つの心で」という意味が込められています)の有機転換圃地で生産された茶葉から作ったアールグレイ紅茶をパルシックのフェアトレード商品として売り出しています。このアールグレイ紅茶には「有機栽培」という表示がありません。その代わり「農薬や化学肥料を使わない農法で栽培」としています。これは、デニヤヤの有機転換圃地が、有機農産物として販売するために必要な有機JAS認証をまだ取得していないからです。
茶畑、なのですが。ジャンブ(ローズアップル)の実がたわわ。向こう側にはパパイヤの木とバナナの木も見えます。
現在、エクサのメンバーの茶畑は、有機JAS認証の取得過程で「転換中」という状態です。昨年1月に続いて、今年は4月末に2回目の認証のための監査を受けました。あと、1年か2年で「有機栽培」として認証されるように頑張っているところです。この監査は、日本の農林省から有機JASの認証機関として認められた機関が実施します。本当は皆さんに、エクサのメンバーがどのように茶栽培を毎日行っているのかを実際に見て、メンバーと話をして、信頼のもと「有機紅茶」として購入して楽しんでいただけるのが望ましいのですが、さすがに日本からデニヤヤの現場まで来ていただくわけにもいきません。スリランカにはこの認証機関(国や地域の機関ではなく、一般企業です)があり、監査員はスリランカ国内から来てくれるので、監査員の移動費などを節約できます(自分の国にこのような監査機関がない場合は、他国の機関から監査員に来てもらう必要があり、渡航費用なども負担する必要があります)。ただし、それでもかなりの出費であることに違いありません。
今年4月の監査の様子 サクンタラさん(左)が監査員(右)に色々と説明しています。
ニマルさんとニマルさんの牛。監査員はコンポストを作っている場所もチェックします。
この有機認証の準備として、エクサのメンバーは
- 農薬および化学肥料は使わずに土壌の肥沃度を上げる
- 周辺から農薬や化学肥料の飛散被害を防ぐための圃地管理をしっかりする
(畑の周りに柵を作ったり、水路を切ったりしています) - 土壌保全のための土壌流出を防ぐマルチや果樹による周辺柵の整備
などに日々取り組んでいます。これらの作業はどれも手間がかかりますが、彼らの専門分野です。問題は、日々の作業記録をつけることです。収穫量、畑に施肥した場合、いつ・どのくらいの量を施肥したか、堆肥を作る際にもいつ・どのような作業をしたか、有機栽培で使用が認められている天然鉱物を購入した際の記録、などなどを付ける必要があるのですが、これがかなり難しいです。自分で元々ちゃんと記録をつける習慣のあるメンバーもいるのですが、ほとんどが一切つけていない農家ですので、この事業1年目から取り組んでいる課題であるにもかかわらず、まだ徹底できていません。フォーマットも色々と工夫して、農家自身に記入してもらうのは必要最小限の情報のみとしています。そしてフィールドスタッフが最低でも月に一回は各農家を訪問して詳細を記録しています。しかし、この最小限の情報の記録すらなかなか徹底するのが難しく、まだまだ試行錯誤が続きそうです。
自分でちゃんと記録をとっているグナパーラさんのノート。みんな見習ってほしいです。。。。
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クラウドファンディングサイト「READY FOR?」にて、デニヤヤで有機転換を希望する農家のための、コンポストセンター設営の資金集めに挑戦しています。
ぜひご支援をお待ちしております。
スリランカの有機転換農家のためのコンポストセンターを作る!
by パルシック デニヤヤ駐在員 高橋 知里
目標金額 :80万円
チャレンジ期間: 7月26日まで
達成率 :35% (6月2日現在)
(スリランカ デニヤヤ事務所 高橋知里)