レバノン緊急:停戦を受けて、帰還した人たちへの越冬支援
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こんにちは。レバノン事務所の中島です。
私が初めてレバノンを訪れたのは8年前のちょうど今ごろ、12月でした。見慣れないアラビア語看板を、車の窓から眺めていたことを思い出します。
停戦発効後のレバノン、そしてシリア難民
レバノンには、イスラム教徒だけでなく、キリスト教徒もたくさんおり、首都ベイルートでは毎年、巨大なクリスマスツリーを囲んで、クリスマスの時期は盛大にお祝いをします。しかし今年は、イスラエルの爆撃により甚大な被害が出たことを受け、クリスマスのお祝いは自粛、もしくは規模の縮小といった動きがみられます。
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ベイルート中心にあるマティルスクエアの様子。中央看板には、レバノンの国民的歌手フェイルーズの歌の一節「心よりベイルートへ平和を」
11月27日にレバノン-ヒスボラ間で停戦合意が発効し、さらにそこから12月8日に隣国シリアでアサド政権が崩壊し、ここ数週間で地域の情勢は大きく変わりました。レバノンには、シリア内戦の影響でレバノン国内総人口の4分の1にあたる推定150万人のシリア難民が生活しています。今回のシリア情勢の変化によって、今レバノンにいるシリア難民の今後の動きが注視されています。パルシックが事業を一緒に実施しているシリア難民の方たちは、今のところシリアに帰還していません。約14年間の内戦により、避難してきた方たちの故郷はインフラや家屋が破壊されており、簡単には帰還できない状況です。
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難民キャンプの住まい
クラウドファンディングによるレバノン緊急支援
パルシックは11月、イスラエルからの攻撃が激化したことでレバノン南部から避難してきた人たち、そして教育事業を実施している北部アルサールのシリア難民の子どもたちが通う学校への越冬支援を実施するためのクラウドファンディングを立ち上げました。現在、120万円の目標のところ、99名の方から1,066,500円のご寄付をいただいています。誠にありがとうございます。
停戦を受け、現在、南部からの国内避難民の多くが帰還していますが、帰還した先で家屋・インフラが破壊され、ふたたび避難生活を送っている人たちがいます。これまでに集まったご寄付で、12月23日には、このような方たちへ毛布や暖房用の灯油の配付を予定しています。また、アルサールの学校へは、これまでシリア難民支援でお寄せいただいていたご寄付で、第1弾の灯油を届けました。
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レバノン南部。帰還してもそこにあるのは瓦礫の山や半壊した家々というのが現状です
レバノンは地中海に面し、中腹にはレバノン山が高々とそびえたっています。気候は、首都ベイルートは12月でも比較的温かいのですが、山岳部に行くと気温は一気に下がり厳しい寒さが体に突き刺さります。今回の越冬支援で届ける灯油は、経済危機に見舞われているレバノンの人びとにとって、とても高価なものです。
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レバノン山にかかる雪
灯油の価格高騰で、最近では、薪ストーブを導入する家庭も急増しています。しかし、暖を取るための薪を節約するために、その他の可燃物も一緒に燃やす家庭も多く、呼吸器官に障害を訴える方も多くいます。
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レバノンの一般的な灯油ストーブ。アラビア語でスビエ
パルシックは避難生活を送る人たち、そして学校で学ぶ子どもたちが安心して冬を越せるように、引き続き支援を行っていきます。今後とも温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
(レバノン事務所 中島雅樹)
レバノン越冬支援クラウドファンディング挑戦中!
クラウドファンディングへのご支援をぜひよろしくお願いいたします!
● 寒さの厳しいレバノンで、戦闘を逃れ避難する人たちとシリア難民の子どもたちが通う学校に防寒具や灯油を届けたい!
募集期間:2024年11月6日(水)~2025年1月16日(木) 目標金額:120万円 for Goodクラウドファンディングページ: https://for-good.net/project/1001324 |