レバノン緊急:クラウドファンディングでの活動を終了しました
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レバノン緊急クラウドファンディングでの活動は、2月末の灯油配付をもって無事全ての活動を終了しました。皆さまからのご支援のおかげで、南部国境沿いナバティーエ県ハスバヤ郡にて停戦後に帰還した90世帯にマットレス、毛布、まくら、暖房用の灯油、さらに新たに帰還した459世帯に暖房用の灯油を配付することができました。また、パルシックが教育支援を行なっている北東部バールベック・ヘルメル県アルサール市の私立校アルイマン校でも教室の暖房用の灯油約1.5ヶ月分を届けることができました。
先月の南部国境地域での灯油配付は、小雪が舞う中での実施になりました。配付地の一つハスバヤ郡Chebaa村は、国境から1キロ弱に位置し、両側を山に囲まれ谷間には家々が密集していることから爆撃により多くの家に被害が出ました。灯油を受け取った女性の一人も、爆撃の影響で家の窓と扉が破壊され、暖房用の灯油が今一番必要なものだから今回の配付はとてもありがたいと言っていました。今回配付を行った村々では、帰還した住民の方からこのような感謝の言葉を多くいただきました。

Chebaa村の様子
北東部のアルサールでは、寒波の影響で冬場の気温が昨年よりも低く、アルイマン校に通う子どもたちの多くが、教室が暖かいため授業に集中できるようになったと言ってくれました。先生方からも感謝の言葉をいただいています。

暖房用の灯油を配付したアルイマン校の子どもたち
レバノンでは、3月に入り日中の気温が少しずつ上がってきていますが、夜間の気温は依然10度以下と冷え込む日が続いています。停戦が発効した昨年の11月以降、95万人以上が避難前の地に帰還したと言われ、今年に入ってからは新政権が発足、国の復興再建への兆しが見え始めています。
その一方で、60日間の停戦期間が過ぎた現在も、停戦条件の一つであるヒズボラの武装解除が行われるかがいまだ不透明、国内の一部地域ではイスラエルによる爆撃がいまだに行われ、国境地帯には地上部隊も展開し入域禁止地域があり、未だ9万5千人以上が自宅に帰還できないなど、レバノン情勢は依然として不安定な状態です。
このような先が見通せない中でも、国と人びとの生活の再建に向けての機運が静かに高まってきています。そのようなレバノンに、これからも引き続き想いを寄せていただけると幸いです。

レバノン南部での灯油配付の様子
今回の緊急・越冬支援は皆さまからのご支援とご協力、温かい応援のお言葉に支えられ実施することができました。本当にありがとうございました!
活動詳細
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(レバノン事務所 土橋弘)