特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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シリア国内の活動地、ヤルムーク難民キャンプ

  • 活動レポート

パルシックは、2019年よりシリアの首都ダマスカスにあるヤルムーク・パレスチナ難民キャンプで食糧配布を実施しています。

ヤルムーク難民キャンプは1957年にパレスチナ人を受け入れるために難民キャンプとして建設されました。内戦前は2平方キロメートル(東京ドームおよそ45個分)の敷地に16万人のパレスチナ人と、多くのシリア人が生活するシリア最大のキャンプでした[1]。キャンプの中には商店、学校、病院など生活に必要なものはほとんどすべて揃い、活気あふれる1つの街のようになっていました。

しかし、2011年に始まった内戦より状況は一変します。ヤルムーク・キャンプは2012年に反体制派の自由シリア軍との戦場となり、2015年にはイスラム国兵も戦闘に加わり、2018年5月にシリア政府軍が反体制派を排除するまで激しい戦闘が繰り広げられました。シリア政府は2012年にキャンプを閉鎖し、多数のパレスチナ難民はダマスカス郊外県などの近郊に避難し二重難民となりましたが、行き場のないパレスチナ難民はヤルムーク・キャンプに残り、ひっそりと生活を続けていました。次第に食糧や水など、生活に必要なものがなくなっていく中で「2014年は1キロの米が200ドルにもなり、1年間で200人ほどが飢えで亡くなった。」と、食糧不足による物価上昇で最悪な状況が続いたことを、当時キャンプで生活していた提携団体スタッフが教えてくれました。キャンプ内での活動が困難になったことから、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が2015年4月以降キャンプ内での活動を停止し、現在も再開の目途はたっていません。

2018年5月にシリア政府軍がキャンプ地を奪還して以降、治安は安定していますが、破壊された建物やインフラの復旧は開始されておらず、そのような状況下で約300世帯のパレスチナ人が生活しています。

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ヤルムーク・キャンプの現在の様子(提携団体より提供)

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ヤルムーク・キャンプの現在の様子(提携団体より提供)

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