特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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東ティモール駐在員日誌

  • 活動レポート

脱穀場であるPTナクロマンでの作業は順調に進んでいます。マウベシでの活動をはじめた当初は、この最終加工工程も組合でできたら、と考えていました。コーヒーの売り上げのできるだけ多くの部分を生産者に還元することができるし、なによりも、丹精込めてつくったコーヒーを生産者の手で送り出すことが理想だからです。理想は理想としてあるのですが、COCAMAUが生産者組合としてしっかりと自立運営されるようことが先決で、そのためには思っていたよりも時間が必要――ということもわかってきました。

この1週間、PTナクロマンでの作業に立ち会って、COCAMAUのコーヒーがディリの若者や女性たちに就労機会を提供している!という事実も、もっと評価していいかな、とも思いました。加工場の近隣に住む年の頃17歳から20歳の若者たち9名(あ、ひとりはおじさんでした!)が、コーヒーの袋を担いだりふるい分けしたりという作業に集まってきています。来週からは欠点豆の選別に60名の女性たちも集まってくる予定です。

ほんの2年前、政情不安に乗じてディリ市内で投石や殺傷事件を起こしていたのが彼らのような若者たちでした。ディリの若者たちに、娯楽や勉学や仕事など、若さをもっと注ぎ込めるものがあれば――と悲しく思ったものでした。なので、ふるいの目に詰まったコーヒー豆を必死に取り除く若き労働者の姿をみていると、COCAMAUのコーヒーがこうして東ティモールのコーヒー(=Cafe Timor)になっていくのかな、と嬉しくなってくるのです。

東ティモールでは毎年、400の正規雇用しか生まれないところに1万5000人の若者が流れ込み、人口の2割が集中するディリでの失業率は23%、若年層においては40%だそうです(2004年の統計)。世銀の報告によると、東ティモールはビジネスをする場所としては180か国中171位!のおススメできない国――。数字で見るとこんなにトホホな東ティモールは、きっと本当に悲惨なんだろうけれども、COCAMAUの生産者も、ディリの若者たちも、悲惨な現実にめげてばかりいるわけではない!ということを、お伝えしていけたらと思います。

(パルシック 伊藤淳子)

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脱殻機から出てきたグリーンビーンズをふるいにかけます

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PTナクロマンの若き労働者たちプラスワン

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