特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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コカマウとの深煎りな日々⑫~自立に向けた最後の一年

  • 活動レポート

今年の収穫期は長引く雨による困難に直面しましたが、各集落で農家の皆さんがそれぞれ工夫しながら忍耐強く作業に取り組んでくれたおかげで、昨年の大不作に比べて倍以上のコーヒーを収穫し、加工して出荷することができています。そして、年間で最も忙しい時期を乗り越え、コカマウのコーヒー農家にとってまた新たな1年が始まりました。

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2023年も無事収穫を終えました

収穫期が終わった後のこの時期は、来年のための新しいコーヒーの苗を準備する重要な時期です。今年の収穫時に選ばれたコーヒーの一部を種として採取し、黒土とたい肥を混ぜて敷いた苗床に播種していきます。シェードネットで日当たりを調節し、適切に水やりを行うことで、播種から約24週間で芽が出てきます。その後双葉が出た苗は1つずつポリバッグに移され、畑に植え替え可能なサイズになるまでの半年から1年間、苗床の中で丁寧に育てられます。

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今季もすくすくと新しい芽が育ってきています

さらに、昨年から育てられてきた苗を畑に植え替える時期でもあります。しかしながら、今年はエルニーニョ現象の影響で雨の降り始めが遅れています。マウベシ地域では通常10月中頃から雨が降り始めるのが一般的ですが、11月後半になってもまだほとんど雨が降っていない状況です。適度な乾燥はコーヒーの木にとって必要な環境ですが、一定の水分も欠かせません。雨季の遅れはすでに植え替えられたコーヒーの成長を妨げるだけでなく、収穫量の減少にもつながる恐れがあり、今年も天候に悩まされる1年になりそうです。

201911月に開始した5か年事業としてのコーヒー畑の改善事業は、残り1年を切りました。これまでに29グループ、287農家がこの事業に参加してきましたが、最後の1年となる今期はさらに13世帯を追加し、事業開始当初のコカマウの組合員の約半分に当たる300世帯がコーヒー畑の改善に取り組むことを目指しています。

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モニタリングを継続しつつ新規参加農家を募る

この4年間は、当事業に参加した農家全体にとって、挑戦と成長の時期でした。これまで触れてこなかった新たな技術や知識を習得しながら、地域ぐるみでコーヒー畑の改善に努めてきました。天候の変動に左右されながらも、農家たちは持続可能なコーヒー栽培の実践に踏み出し、この経験は彼らの今後の活動においての新たな指針となることでしょう。プロジェクトの最終年にあたる今年は、これまでの成果を振り返りながら、今後コカマウが自立的にコーヒー畑の改善を進めていく準備の重要な年になります。過去4年間の経験を土台に、さらなる畑の若返りと収量増加を目指しコカマウの農家たちと活動を進めていきます。

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世代を越えて持続可能なコーヒー栽培を

(東ティモール事務所 工藤竜彦)

*この事業はJICA草の根技術協力事業の業務委託を受けて実施しています。

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