特定非営利活動法人 パルシック(PARCIC)

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コカマウとの深煎りな日々⑩~コーヒー畑の改善事業4年目へ

  • 活動レポート

アイナロ県マウベシ郡でのコーヒー畑の改善事業は2022年11月で4年目に入りました。3年目までに237世帯がこの事業に参加し、古くなったコーヒーの木の台切りや、新苗の植え替えなどをしてコーヒー畑の若返りを進めています。

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事業開始から活動を継続しているリタ集落のクレメンティーノさん

2022年はコーヒーの裏作の年に当たり、さらに天候不順により収穫初期にひと月に渡り大雨が続いたため収穫前のコーヒーの実が落ちてしまい大不作の年となりました。 2019年に台きりを始めたコーヒーの木にコーヒーの実がなっているのも確認ができていたのですが、これらも加工まで進めることができず、事業の達成状況の確認は次の収穫期に持ち越しになりました。しかし、私たちの活動は確実に各集落で浸透してきています。

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巡回モニタリングの様子

2022年9月には、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中断していた専門家の招聘を再開、約1か月半の滞在で3年間の進捗を実地で確認してアドバイスをもらいました。また、カッピングと呼ばれる品質チェックのテイスティングを実施し、どのサンプルも問題がないことを確認してもらいました。

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パルシックスタッフのネルソンが専門家のアドバイスを農家さんに伝える

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首都ディリのカッピングラボでのカッピング(品質チェック)の様子

4年目に当たる2023年は、各集落から2名ずつの56世帯を加えてコーヒー畑の改善活動を進めていく予定です。 2023年1月からは例年通り事業に参加する新規メンバーの登録とGPSを使った各圃場の調査を進めています。

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各集落でヒアリングをしながら調査を進めます

東ティモール政府は2022年度補正予算で、東ティモールコーヒー協会をパートナーとし、8,000ヘクタールのコーヒー畑を改善することを決めました。コカマウ(マウベシコーヒー生産者協同組合)の中でも当事業と政府事業を並行して実施していくことになります。それぞれの活動を通してコーヒー農家間で混乱が生じることのないよう、新苗の植え替えと台きりを組み合わせながらマウベシ全体のコーヒー畑の若返りを図っていきます。

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古くなった木を切りコーヒー畑を整えていきます

1月18日には2023年に入って初のコカマウ代表者会議が行われ、そこで本事業で作成した3本のビデオのお披露目会がありました。 初年度から積極的に活動を継続しているモデル農家3人が出演して、組合員向けに畑の改善方法やここまでの活動成果がまとめられています。

農家さん向けに3本とも公開するのはこれが初めてでした。 映像を通してですが、各集落の代表者たちはモデル農家の畑の様子に興味津々で、自分たちの集落でもこのような活動をしていくのだというポジティブな声も聞くことができました。

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前のめりになってビデオを見る集落の代表者たち

5か年計画のコーヒー畑の改善事業も残り2年を切りました。 1年目から継続してきた内容がコカマウ組合の中でもかなり浸透してきて、今年でコカマウ組合に所属しているコーヒー農家全体のほぼ半分の農家がこの事業に参加することになります。

集落ごと、コカマウ全体で助け合いながらコカマウの農家たちが自立的に畑の改善を継続してコーヒー生産に取り組んでいけるような環境づくりを進めていきます。

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2022年からコカマウに加入したマウンレテ集落の皆さん

(東ティモール事務所 工藤竜彦)

*この事業はJICA草の根技術協力事業の業務委託を受けて実施しています。

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