花づくりで地域課題の解決を、2年目キックオフ
- 活動レポート
2023年から開始した「女性の生計向上を通じた子どもの栄養改善事業」は、この3月に2年目を迎えました。この事業では、女性たちが栄養に関する知識を学び、花卉栽培からの収入を家庭での栄養改善にむすびつけることを目指しています。
アイレウ県、アイナロ県グループの畑
2024年3月25日には、在東ティモール日本大使館において、事業2年目のキックオフセレモニーを行いました。大統領府、保健省、農水省からのゲストを迎え、1年次の成果報告と2年次の計画を説明した後、事業対象地のアイレウ県、アイナロ県のグループ代表者から、栄養改善や花卉栽培の取り組みについて共有してもらいました。アイレウ県グループの代表キタさんからは、「新しい挑戦は大変ですが、着実に収入になっていてうれしい。インドネシアから質のよい苗を継続して輸入するために、農水省検疫局には協力をしてもらいたい。花卉栽培を通して子どもたちの栄養改善につなげたい」と力強いメッセージがありました。
参加者の皆さん
前列左から、アイレウ県グループのキタさんとミラさん、アイナロ県グループのアニタさん
セレモニーの様子は各局のテレビニュースでも取り上げられました。
また、ディリ生花店の代表の方々も参加してくださり、生産者と直接交流する機会にもなりました。
生産者と生花店のみなさん
首都ディリには日本の「花卉卸売市場」やインドネシアの「パサール・ブンガ(花卉市場)」の機能を担う場所がなく、花卉生産者が生花店へ直接納品するというスタイルが主流です。花卉流通システムを効率化し、小規模な生産者も漏れなく市場にアクセスし、どの生花店も必要な時にいつでも新鮮な国産切り花を入手することができるよう、この事業では一時集荷と卸売の役割を担う場所をつくろうとしています。
現時点では生産者、生花店ともに流通における「卸し」の意味を理解することが難しく、時間がかかりそうではありますが、効率的であることをみなさんに理解いただけるよう、継続して働きかけていきたいと思います。
長さをそろえて出荷準備をする女性たち
マウベシからアイレウに寄ってディリに出荷
ディリ市内のとある生花店が流通センターとなり、ここから各生花店が卸値で購入
国産のお花だけで素敵なアレンジが!
(東ティモール事務所 林知美)
*この事業は外務省NGO連携無償資金の助成と皆さまからのご寄付により実施しています。