東ティモール:学校給食の改善を目指して~料理教室の様子~
- 活動レポート
昨年はディリ県内の小学校5校を対象に全10回の料理教室を行いました。給食調理担当者の栄養や衛生に関する知識向上、給食メニューの改善が目的で、給食調理担当者のほかに教員、保護者数名が集まり、3~10名ほどの規模で実施してきました。
料理教室では、各学校の調理場を使わせてもらうのですが、建物はあるものの、ガス、水道はその建物内に通っていないので、火は薪で焚き、水は近くの水道のある場所から汲んできて大きなバケツにいれて使用します。料理を始めるまでの準備でひと苦労ですが、みなさんは慣れた様子で作業していました。調理は、現地スタッフで栄養士のズルミラさんを中心にみんなで協力して行います。
調理の様子
そして調理の前後や待ち時間に栄養の知識も学びます。パルシックが作成したマニュアルやビデオ、時には食材の写真やフリップチャートを使用しながら栄養素や栄養バランスについて理解を深めます。
みんなで栄養バランスについて学んでいます。
料理ができあがったら、校長先生やほかの先生方も呼んでみんなで試食をします。マサコ(東ティモールで一般的な粉末の化学調味料)は使用せず、塩・こしょうとニンニクやショウガなど香りのある食材を活かした味付けとなっていますが、美味しいと好評でした。
出来上がった料理。左上から、豆のサラダ、ほうれん草の和え物、小魚のピリ辛炒め、緑豆とサツマイモのお汁粉。
試食会
全10回ある料理教室の最後の回はまとめの回となっており、参加者に1日の献立を考えてもらいました。少し難しいかなと思いましたが、みなさんバランスの良いメニューが考えられていて驚きました。また、給食調理担当者には1週間の学校給食のメニューも考えてもらいました。その中で、ある学校の給食調理担当のリタさんは1週間のメニューにふりかけを使ったメニューを取り入れてくれました!ふりかけの紹介も実施していたのでとても嬉しかったです。
メニュー作成の様子
東ティモールでは学校が通常通り開かれていても、給食は政府の予算の都合で実施されないことが多々あります。2020年は新型コロナウィルスの影響もあり、学校給食はほとんど実施されませんでした。現在は緊急事態宣言が発令されていますが、1月中旬から新学期が始まる予定です。料理教室での学びをすぐに学校給食に活かすことができないのは残念ですが、参加者のみなさんには家庭でもバランスの良い食事を意識してほしいと思います。
最後に参加者に証明書を渡しました。
(東ティモール事務所 桑原真菜実)
※この事業は外務省NGO連携無償資金の助成と皆さまからのご寄付により実施しています