栄養日記~子どもたちの食事記録~
- 活動レポート
こんにちは、「ふりかけ・栄養事業」担当の桑原です。今回は栄養事業の中の取り組みの一つ、栄養日記についてご紹介します。
栄養日記は一言でいうと食事記録のことです。この事業では小学校4年生を対象に、1週間の食事内容を絵日記のように記録してもらっています。記録の際に頼りになるのがパルシックスタッフで栄養士のハンター。子どもたちの記入だけでは使った食材がわかりにくかったり、実際はおやつを食べたのに書き忘れていたりと不備があるので、ハンターが直接聞き取りし、修正してくれています。記入が終わったらインドネシアの成分表を参考に栄養分析し、結果をシートにまとめて保護者へフィードバックを行います。(東ティモールには成分表がないため、隣国のインドネシアの成分表を参考にしています。)
栄養日記に参加している子どもたち
栄養士スタッフによる聞き取りの様子
栄養日記で興味深いのは、実施する地域や時期によって食べる食材に大きく違いが出てくることです。例えば、事業2年目で実施したディリ県アタウロ島ビケリ村では、特に乾季は魚料理だけ、なんて日も珍しくないのですが、現在活動中のエルメラ県では果物や野菜の種類が豊富な印象です。また、山岳地帯にあたるエルメラ県ではタンパク質は動物性より植物性が身近に食べられているということがわかりました。
栄養素別にみると、全体的にカルシウムの摂取が不足していることが見えてきました。エルメラ県ではNGOの食糧支援で給食が実施されていましたが、日本のように牛乳が毎日でることはありません。家庭で乳製品を摂る機会がない児童も多く、毎回カルシウムの値だけ基準より低い結果になる傾向があります。カルシウムは小魚、大豆などの豆類、葉物野菜にも含まれているため、フィードバックの際にはそうした情報も一緒に伝えています。また、栄養日記を実施している児童の保護者に料理教室への参加も呼びかけて、栄養素について知ってもらえるような機会も作っています。
栄養日記の例① 朝食:揚げパン、パン、チョコ味の乳飲料 昼食:ご飯、豆スープ、からし菜の炒め物、水
栄養日記の例② おやつ:タマリンドの実とマサコ(化学調味料)、すだちの実 夕食:ご飯、キャベツの炒め物、水
子どもたちの描く食事のイラストは個性的で、それを見るのも楽しみの一つです。
事業のメインであるアタウロ島で作るふりかけは、魚を骨ごと使っていて、カルシウムも多く含まれています。今後、小さなキオスク(商店)や学校給食で手軽に手に入り、食べられるように販売経路を広げていきたいと思っています。キオスクで販売する10g入りの小さなパッケージも完成しました!
10gのパッケージと、店においてもらうための容器
(東ティモール事務所 桑原真菜実)
*この事業は外務省NGO連携無償資金の助成と皆さまからのご寄付により実施しています。