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東ティモール:ロックダウンとカフェスタッフ研修

  • 活動レポート

東ティモールでは、陸続きの隣国インドネシアとの国境を違法に越えて入国した住民の新型コロナウィルス感染が2月以降複数件確認されました。陸上に国境を有する西部コヴァリマ県で国内初の市中感染が確認され、2月22日から同県のロックダウンが実施されていました。

そんな中、3月5日のニュースで、ディリ県から東部のバウカウ県へ移動した人物が新型コロナウィルス検査を受けた結果、陽性が確認されたことが報じられました。その患者のディリ県での居住周辺地区にて大規模検査が実施され、3月7日には、検査を受けた289名のうち2名の陽性が確認されました。

翌日、東ティモール政府は3月9日から1週間のディリ県ロックダウンを決定。ディリ県から他県への移動は特例を除き禁止、エッセンシャルワーカー以外の住民は買い物や緊急時を除き外出禁止、教育機関の休校、公共交通機関の運行禁止、集会の禁止(宗教儀式含む)等の規制措置が取られました。

その後、陽性者との濃厚接触者や近隣住民への大規模検査から陽性者数はどんどん増え、ディリ県のロックダウン期間は4月2日まで延長(*その後、さらに4月16日まで延長)、バウカウ県と東部ヴィケケ県も3月29日までロックダウンとなっています。(3月28日現在: 陽性合計322名)

この規制に準じて、パルシック東ティモール事務所も3月9日から地方勤務のスタッフを除いて全員在宅勤務となりました。3月はカフェ・アロマ・ティモールのスタッフ研修が盛りだくさんの予定だったのですが、残念ながら、カフェスタッフにも自宅待機をしてもらっています。また、店舗のリノベーション工事も実施することが出来ないため、カフェのオープン時期がずれ込むことも覚悟しなければいけません。

そういった状況のため、今回のレポートでは、前回のレポートに書ききれていない2月末から、ディリ県でのロックダウンが始まるまでに実施した研修の様子をご紹介いたします。

この期間には、ディリ市街地にあるカフェ4軒へ顧客として行き、実際にカフェ店員の方がどのように働いているか見学させて頂きました。また、特にバリスタの3人にはコーヒーの味についても研究してもらいました。

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Fatima Cafeでコーヒーとハーブティーを飲むスタッフたち

Hey Day AR Cafe と Cafe Atsabe では、スタッフたちにはまだ馴染みのないプアオーバー(ハンドドリップ)でのコーヒーの淹れ方を見せていただきました。カフェ・アロマ・ティモールでもプアオーバーを提供する予定なので、スタッフたちも真剣な面持ちでしっかりと見学していました。

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HeyDay AR Cafeでプアオーバーを見学

ホスピタリティー講座では、飲食業界での経験が豊富なトジーさんを講師に招き、飲食店での接客に必要な知識を教えていただきました。基本的な接客態度や業務などに加えて、「子連れのファミリーが来店した際は、まず誰に注文を尋ねるか?」「閉店間際にお客様が来店した場合、どのように対応するか?」等、シチュエーションに合わせた対応の仕方も習いました。

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ホスピタリティー講座の様子

トジーさんは、コーヒー焙煎所への見学も引率してくれました。

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コーヒー焙煎所で説明を受けている様子

そして、カペ・ディエム・コーヒー研究所では、ダニエルさんのコーヒー講座を受講しました。講座では、コーヒーの歴史、種類、香り、バリスタの役割、エスプレッソマシンの使い方、ミルクのスチームの仕方等、覚えることは多岐にわたります。

この講座はレベル1(初級)とレベル2(中級)、プアオーバーの淹れ方、カフェレストランでの研修、という内容に分かれています。バリスタの3人は全講座を受講しますが、パティシエの2人はレベル1とプアオーバーの淹れ方のみを受講しました。カフェのスイーツメニューにある、コーヒーゼリーとティラミスはコーヒーを使用するため、パティシエにもコーヒーの淹れ方の基礎を習ってもらいました。

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カフェラテの淹れ方を習うスタッフ達。手前には練習で淹れたエスプレッソがずらりと並んでいます

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カッピングも体験させてもらいました

スタッフたちが一生懸命に研修を受けている姿を見ていると、「早くカフェをオープンして実際に彼女たちが働いている姿を見たいな」という気持ちになります。

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エスプレッソマシンを使って練習するスタッフたち

(東ティモール事務所 松村優衣子)

*この事業は、ポルトガルの助成機関Camõesの助成を受けて、ポルトガルのNGO、CIDACと協働で実施しています。

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