スリランカ 南部デニヤヤ 有機農業ボランティアツアー2018 参加報告
- 活動レポート
セイロンの名で知られる世界でも有数の紅茶の産地、スリランカ。南部マータラ県のデニヤヤでは、甘い香りの「ルフナ茶」として知られる紅茶を生産しています。「スリランカ 南部デニヤヤ 有機農業ボランティアツアー2018」では、スリランカでも特に自然が豊かな熱帯雨林シンハラージャ森林保護区に程近いこの地域で、有機紅茶栽培に取り組む農家を、日本からの6名の参加者で訪ねてきました。農村の訪問やホームステイと通じて自然と共に生きる人びとの暮らしに触れ、茶畑から紅茶加工場、そしてパッケージ工場まで一連の流れを見学し、美味しい紅茶ができるまでをたっぷり味わいました。
ツアーに参加してくださった方々からの感想文を集めた「旅の感想文集」から一部をご紹介します。
開催概要
訪問地 : スリランカ 南部マータラ県 デニヤヤ
開催日 : 2019年3月16日(土)~2019年3月24日(日)8泊9日
参加者数: 6名
現地プログラム企画: 特定非営利活動法人 パルシック
旅行企画・実施: 株式会社 風の旅行社
受託販売: 株式会社 ピースイン・ツアー
主な旅程
日付 | 時間 | 旅程 | 宿泊 |
---|---|---|---|
3月16日(土) |
11:20 | 成田発 UL455(スリランカ航空) | コロンボ |
17:50 | コロンボ到着 | ||
3月17日(日) | AM | デニヤヤへ移動 | デニヤヤ(ホームステイ) |
PM | 村の散策(有機茶畑、蜜採取の見学など) | ||
3月18日(月) | AM | ボランティア活動:茶摘み、苗木植え付け | デニヤヤ(ホームステイ) |
PM | 農家宅で料理セミナー | ||
3月19日(火) | AM | ボランティア活動:コンポスト作りや牛の世話 | デニヤヤ(ホームステイ) |
PM | 農家グループとミーティング、夕方にアーユルベーダセミナー | ||
3月20日(水) | AM | シンハラ―ジャ森林散策、自由時間 | デニヤヤ(ホームステイ) |
PM | ポヤのボーディプージャー(仏教寺院の行事) | ||
3月21日(木) | AM | ボランティア活動:コンポスト配達、茶葉回収 | モロワカ(バンガロー) |
PM | モロワカへ移動、生物多様性の畑見学 | ||
3月22日(金) | AM | ニルミニ紅茶加工工場見学 | コロンボ(ホテル) |
PM | コロンボへ移動 | ||
3月23日(土) | AM | ファーマーズマーケット、街中散策 | 機内泊 |
16:50 | 空港へ移動 | ||
19:50 | コロンボ発 UL454 | ||
3月24日(日) | 7:30 | 成田空港着 |
ツアー滞在地マップ
参加者の声
参加してくださった方々の感想文を一部ご紹介します。
『へっぴり腰の連帯』 杉本恵二さん
スリランカで有機紅茶の栽培はまだ主流ではない事を知った。手間がかかるのだ。 でも世界の消費者が求めれば付加価値は上がる。農民の収入も増える。有機農法に切り替える農民も増える。だから応援したい。
今回のツアーでは、参加者の仲間とともに、草取り、苗木植え、茶葉の摘み取り、牛糞の堆肥作りを体験した。農業体験のない都会人がほとんど。
でも持続可能な世界を願う”つわもの”。”そのへっぴり腰”の連帯にスリランカの農民たちも笑う。
地球は家族であると私は実感した。
『スリランカ・ツアーに参加して』 藤木秀朗さん
普段、何気なく愛飲していた有機アールグレイ紅茶だが、それがどこでどのように生産され、どのような経路で日本にまで届けられているのか想像したことは一度もなかったし、正直パルシックについても何も知らなかった。そんな折、紅茶のパッケージとともに届いたという「スリランカ南部 有機農業ボランティアツアー」と題したチラシを妻に見せられ、おもしろそうだとからということで一緒に参加することにした。自分たちだけではなかなか行けない場所に連れて行ってもらって貴重な体験ができそうだというのが一番の動機だったが、実際行ってみると期待以上にいろいろなことを考えさせられて、とても充実した旅行になった。
今後、地球環境を持続可能にしていくためには、「近代」とは違う新しい価値の創造と新しい関係づくりの場をさまざまな形で作っていくことが不可欠だということである。エクサのメンバーとの会合では、苦労の多い割には収入になかなかつながらないといった有機農業の苦労話が聞かれた。おそらく、そうした本音も含め率直な意見を交換し議論できるような機会をもっともっと増やし、同時に、触れ合いの楽しさの感覚や肯定的な感情的つながりを強めていくことが、生産者と消費者の相互のモチベーションになるし、それがひいては環境の保全にもつながってくるではないかと思った。その意味で、生産性や効率といった原則だけでは計れない有機農業は、分業体制とは異なる、新しい「グローバルなつながり」を築き、持続可能な環境作りへと転換する上で核心的な事業ではないかと感じた。
『フェアトレードのビジネスモデルを体感』 三宅麻美さん
デニヤヤでの夜、生きものたちの鳴き声、山間に満月が沈む早朝の景色が目に焼き付いています。一生忘れない画だなと思いながらしばらく眺めていました。そして「あぁ、来てよかった」、旅の大半をそう思いながら過ごしていました。デニヤヤの部屋で菊花線香を焚きすぎて喉がやられた以外(咳が止まらなくなります。以降参加されるみなさまご注意あれ(笑))、残念なことなどひとつもなく、本当に穏やかで充実した時間を過ごさせていただきました。
1. 直にデニヤヤの農家さんの言葉をお聞きできたことで、これまで続けてきたことをこれからも続けていこうと、確信を深められた。
2. 茶畑に入り、土に触れ、汗をかく作業にただ夢中になる。乾いた畑の土埃にまみれながら、草取りの感覚、これこれ、これなのと、心身の解放を実感しながら体を動かすことができ、少々弱った私の体もまだやれるのではないかと自信がもてた。
3. かつてやってみたいと思ったけれど実際選択することのなかった経験を重ねてこられた方々と旅をご一緒でき、経験と経験が交わることで人生は豊かになるのだと妙に腑に落ち、自分のこれまでとこれからがありのままに手元に収まった感じがした。
昨今、SDGsが広まってきて、企業や自治体でも「フェアトレード」が知られてくるようになりました。本質的には企業活動のサプライチェーンがきちんとフェアになることが目標ですが、まずはパルシックさん等の「フェアトレード商品」との関わりからはじめ、「フェアトレード」というビジネスモデルから学んで広がっていくといいなぁと思っています。