コーヒーの未来 ~東ティモールのコーヒー生産者と考える~ in 京都
- イベント
パルシックは東ティモールのアイナロ県マウベシ郡とエルメラ県サココ集落の両地域で、それぞれのコーヒー生産者組合とともに良質のコーヒー生産に取り組んできました。このコーヒーを日本に輸入し、有機栽培のフェアトレードコーヒーとして、焙煎店やカフェ、企業、個人消費者に届けています。 近年、東ティモールでも気候変動によってコーヒー生産が安定しない状況が生じています。パルシックは上記の生産者組合とともに、老朽化したコーヒーの木の植え替えや土壌改良、新たな加工法の導入(ロブスタのアナエロビック)、アグロフォレストリー事業など、気候変動に対応した取り組みを始めています。
このイベントでは、現地から生産者代表とスタッフを迎え、こうした取り組みを現場の視点からご紹介します。また、コーヒー専門家とのクロストークを通じて、2050年問題に直面するコーヒーの未来に、私たち消費者ができることは何かをともに考えます。
開催概要
日時:2024年2月25日(日曜日)15:30 -17:30 (開場 15:00)
会場:西本願寺 聞法会館 3階多目的ホール
(京都府京都市下京区堀川通花屋町上る柿本町600番地1 アクセス)
定員:50名
参加費:一般 1,000円 パルシック正会員 500円 学生 500円 (コーヒー試飲付き)
お申込:Googleフォームからお申し込みください。参加費のお支払いは当日、会場にてお願いいたします。
内容
第1部 気候変動がコーヒー生産に与える影響
「東ティモールの事例紹介」
パルシック東ティモール事務所代表 伊藤淳子
「東ティモールの産地から」
コカマウコーヒー生産者協同組合 組合長 ジュリオさん
パルシック東ティモール事務所 コーヒー担当 ネルソン
第2部 (トーク)気候変動が市場にもたらす影響
サーカスコーヒー 店主 渡邉良則さん × パルシック フェアトレード担当 嘉村早希子
アラビカ種コーヒー豆の産地、マウベシ郡での取り組み生産者:コーヒー生産者協同組合 コカマウ(COCAMAU)標高1,300~1,700mに位置するアイナロ県マウベシ郡では、コーヒー生産者組合コカマウの組合員の畑のほとんどのコーヒーの木が樹齢30年を超えています。コーヒーの木の収穫のピークは15年から20年と言われ、1ヘクタール辺りの収量は近隣のコーヒー生産国の6分の1と非常に少ない上に、近年の気候変動により収量は不安定になってきています。 ロブスタ種コーヒー豆の産地、サココ集落での取り組み生産者:サココ青年組合コハル(KOHAR)標高650~900mに位置するエルメラ県サココ集落では、ポルトガルの植民地時代に植えられたロブスタ種のコーヒーの木が多くみられます。この地域でも木の老朽化や気候変動の影響を大きく受け、収量の上下動が大きいことが課題です。サココ青年組合コハル(KOHAR)のメンバーは、コーヒーの木の植え替えや苗床建設・運営と同時に、コーヒー、カカオ、果樹などの換金作物をプランテーション跡地に植え、地域住民の暮らしを支える豊かな森に変えるアグロフォレストリーに取り組んでいます。ロブスタ種のコーヒーへ付加価値をつけることにも力を入れ、アナエロビック(嫌気性発酵)などの一次加工にチャレンジするなど、ロブスタコーヒーの新しい市場の開拓を目指しています。 |
登壇者プロフィール
ジュリオさん
2015年からコカマウ組合長(2期、8年目)。28歳で集落長、35歳で村長に選出されるなど、組合活動のみならず村落開発にも地域住民からの信頼を集めている。「コーヒーは次世代に引き継ぐ財産」と、若者の組合活動への参加を鼓舞している。
ネルソン
マウベシ郡でのコーヒー事業担当。エルメラ県のコーヒー農家に生まれた6人兄妹の長兄。東ティモール国立大学農学部で農業経済学を学んだ。2006年4月からパルシックで働き始め、今ではパルシック東ティモール事務所を支える大黒柱。
渡邉良則 さん
京都北山でスペシャルティコーヒーを専門に、コーヒー豆を販売する「CIRCUS COFFEE(サーカスコーヒー)」店主。
伊藤淳子
パルシック共同代表理事、東ティモール事務所代表。2001年から東ティモール駐在。東ティモールコーヒー協会理事。
嘉村早希子
2002年から3年間、パルシックの前身PARCの伊藤とともにコーヒー生産者組合づくりに関わり、時を経て2023年パルシックに入職。フェアトレード部の卸担当。