2023年10月7日から続くガザ地区の未曽有の人道危機。
必死に毎日を生き抜く、ガザの人びとを支えます。
ガザの人びとはいま
2023年10月7日から15ヶ月以上続いたガザ地区の未曾有の人道危機。2025年1月15日、仲介国カタールの尽力もあり、3段階の停戦合意の第一段階がイスラエル・ハマス間で合意され、同月19日から開始されました。ガザの人びとにとってこの知らせは、15ヶ月以上も無差別な大規模攻撃に晒され続け、死の恐怖と隣り合わせの地獄からようやく抜け出せる待ち望んだ瞬間でした。
ガザ保健省の報告によると、1月19日時点で総人口210万人のち、イスラエル軍の攻撃によって殺されたと確認された犠牲者のみでも46,645人以上に達し、そのうち17,000人が子どもでした。また、負傷者は11万人以上に上り、推定22,500人が生涯にわたる重度の四肢の怪我を負っています。医療従事者やメディア関係者も含む11,000人が行方不明となっています。
食料や衛生用品などの物資搬入の制限は続き、ガザ地区内の安全の確保も容易ではありません。圧倒的な物資不足によるインフレの加速、そのうえ、ガザ地区の失業率は8割に達し、収入源を失った人びとは支援団体が辛うじて提供している食料配付や炊き出しで命を繋いでいます。子どもたちが食料を探してゴミ山をあさる姿も日常の風景になっています。
人びとは栄養が圧倒的に足りておらず、人口の半数以上が急性感染症を患い、皮膚病やA型肝炎、呼吸器障害などにも苦しみ続けています。清潔な飲料水や生活用水の確保が難しく、捨てられたままの下水や排泄物、ゴミの堆積で害虫やねずみなどの大量発生も続いており、特にテントで雨風をしのぐ人びとの健康被害を加速させています。
ガザの人びとはいま、1年以上も続く未曾有の人道危機で生命の危機に直面し、人間が耐え得る状況をはるかに超えた極限状態におかれています。
国境を越える、
市民の力。
認定NPO法人パルシックは、
地球の各地で暮らす人と人とが国境を越えて支えあい、
人間的で対等な関係を築くことを目指して活動するNGOです。
パルシックが取り組む
民際協力事業
誰もが自分たちの力で豊かな暮らしを築ける世界を目指して、
市民と市民とが協力する「民際協力事業」を実施しています。
災害・紛争などの困難にある人びとに対して、
緊急支援・復興支援・経済自立支援を段階的におこなっています。
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緊急支援
災害・紛争などで自立的な発展を阻まれた地域にて実施
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復興支援
ハード面(建物など)ソフト面(産業など)の復旧を支援
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経済自立支援
地域の特性を活かした産業促進を支援、 経済的自立を生み出す(市民同士の協働関係)
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持続可能な状態
国境を越えた市民関係・経済的自立による相互に助け合う社会
パレスチナ ガザ地区
「天井のない監獄」ガザ地区
ガザ地区は2007年以降、イスラエルに軍事封鎖をされ「天井のない監獄」と呼ばれています。今回の戦争以前から、365平方キロメートル(東京都23区の3分の2ほどの面積)という小さな地域に、約220万人が超過密状態で暮らしていました。人びとは、イスラエルから許可を取得できなければガザ地区の外に出ることができず、物流も大きく制限されて、慢性的な困窮状態にありました。そのうえ、ハマスを中心とする抵抗勢力が軍事封鎖や長年の占領状態に抵抗し、イスラエル軍との衝突も数年おきに勃発してきました。度重なるインフラの破壊と物資の不足は、長期にわたりガザ地区の経済の発展を阻み、人びとは高い失業率と貧困に苦しんできました。
緊急支援の経緯
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2023年10月7日のパレスチナ・ガザ地区の抵抗勢力ハマスらによる奇襲攻撃とそれに続くイスラエル軍の侵攻により、双方で多数の市民が犠牲となっています。2024年9月時点で、ガザ側の死者は4万人を超え、病死などの関連死も合わせると18万6,000人以上とも言われ、負傷者も9万6,000人以上に達しています。ガザ地区の人口の9割以上が避難を余儀なくされ、避難先では、食糧や清潔な水、衛生用品など、あらゆるものが不足しています。2023年11月以降、パルシックは皆さまからお寄せいただいたご寄付で、ガザスタッフが中心となり、ガザ地区中南部の国内避難民を対象に緊急支援を行ってきました。
2014年からのパレスチナでの支援活動
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パルシックは2014年、ガザでの51日間戦争後にパレスチナでの活動を開始しました。ガザの人びとが少しでも元の生活を取り戻せるように、農家や女性世帯への農業支援、トラウマを抱えた子どもたちへの心理ケアなどを続け、2016年からはヨルダン川西岸地区でも耕作放棄地への植樹や、生ごみから堆肥を作って地域循環型の社会を目指す活動をしています。2018年からはガザ地区南部で、女性グループを対象とした酪農による生計支援を行い、その経験を生かして現在もハン・ユニス県で羊の畜産農家の生計向上に取り組んでいます。まさに今回の戦争が始まる数日前、私たちは新たに参加した20世帯の羊農家と一緒に羊小屋の建て替えを行い、羊を配付して、皆で「いよいよこれから!」と意気込んでいるところでした。
2014年から現在までの約10年間、何度空爆にさらされても粘り強く立ち上がってきたガザの人びとから、「私たちを支援してくれる日本の皆さまにどうか心からの感謝を伝えてください」と、私たちは幾度も感謝の言葉を受け取ってきました。また、ガザの現地スタッフは、自分たちも何度も被災し、家族や大事な人を失うという経験をしながらも、ガザの人びとの復興のために努力してきました。
現地からのメッセージ
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サハルの声
(パルシックガザスタッフ)物資が圧倒的に不足しているガザ地区では、衛生用品の確保が難しい状況です。また、清潔な水で身体を洗うことも、当たり前にできることではありません。長期化する戦争の影響で皮膚病や感染症が蔓延しているため、身体を清潔に保てるように衛生用品は不可欠です。しかし、石鹸や洗剤などが不足しているだけではなく、生理用品や下着も十分にありません。生理中であっても生理用品を取り替えたり、着替えたりすることが難しいです。私は古着をリメイクして下着を作りました。
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サハルとタグリードの声
(パルシックガザスタッフ)●サハル:
人びとは着の身着のまま避難を繰り返しているので服を十分に持っていません。私がキャンプで出会ったシャムちゃんはシャツ1枚しか着ておらず、最初は男の子だと思いました。「シャム」は女の子の名前なので尋ねると「私は女の子なの。可愛い服を着たいけど服がないの」と答えました。男の子と間違えた自分を反省し、シャムちゃんを抱きしめました。可愛い洋服を着させてあげたかったです。●タグリード:
私の家にも「どうか服をめぐんでください」とたびたびドアをノックしてくる人がいます。これから寒くなるので、心配です。 -
ヤスミーンさんの声
私は乳製品加工工場を営む女性組合のメンバーです。戦争中もテントの横で女性たちとチーズ作りに励んでいます。電気の供給がイスラエルに遮断されている中、ソーラーパネルとジェネレーターで発電して、冷蔵庫をなんとか稼働させていますが、電気が全く足りていません。チーズをたくさん作りたくても、冷蔵庫を十分に使えないと腐ってしまいます。ガザでは、電力を確保するのが非常に大変です。雨季には太陽光を利用することも難しくなります。
あなたの寄付でできること
パレスチナへの継続した支援を届けるための資金がたりません。
このたび200名のパレスチナサポーターを募集します。
月々500円~のパルシックサポーターに参加して
ともにパレスチナを支えてください。
ご寄付で実施した支援の一例
水タンクの設置と給水支援
ガザ地区のいたるところに避難民のキャンプができていますが、公営の水道管が近くになく、井戸もない地域では、人びとが何キロも水を求めて歩く必要がありました。そのため水タンクをキャンプ(8か所)に設置して、水タンクへの給水も行いました。水を待ちわびていた多くの人びとから喜びの声をいただきました。
- キャンプ8か所に避難している4,391世帯(約26,400人)へ配付
- 水タンク26基と給水費用:1,522,740円
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ご寄付で実施した支援の一例
水汲み容器の配付
ガザ地区の人びとは何度も退避せざるを得ず、多くの人が収入源を失っています。1つ約600円の水汲み容器の購入も容易ではありません。空になった料理油の容器などを使って水をためてる人びとが多かったため、清潔な水を飲めるように水汲み容器を配付しました。
- 1,420世帯(約7,952人)へ配付
- 物資購入費用:953,250円
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これからやりたい支援
- 学習スペースの設営
(2025年1月19日時点で建設準備を続けています) - 子ども服の2回目の配付
- 新鮮な野菜や鶏肉を含む栄養価の高い食料バスケットの配付
(2025年2月末から始まるラマダンシーズンにあわせて) - パルシックが戦争以前から支援を続けてきた①羊農家へ羊の飼料配付などの支援、②女性組合のチーズ作り支援
※物資の調達状況などに伴い、予定している緊急支援の内容を変更する場合があります。
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月々500円~でパレスチナを支える
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サポーターになると...
- サポーターの方向けの、駐在員を交えた交流会情報をお届けします。
- ご希望の方に、半年に一度、パルシックの活動レポート「民際協力ニュース」を郵送でお届けします。
- パルシックは東京都から認定を受けた認定NPO法人です。パルシックへのご寄付は寄付金控除の対象となります。
寄付金控除
NPO法人パルシック(以下、パルシック)は東京都の認定を受けた「認定NPO法人」です。パルシックへのご寄付は、確定申告によって所得税、法人税、相続税などの寄付金控除を受けることが出来ます。地方自治体によっては住民税も控除の対象となります。詳しくはお近くの税務署までお問い合わせください。
所得税の場合
確定申告をすると、寄付金額合計の40%の税金の還付を受けることが出来ます。所得税の控除は、税額控除、所得控除から有利な方を選ぶことができます。多くの場合は、税額控除を選択するほうがより多くの金額が控除されます。
例えば税額控除を受けると
1万円のご寄付で、3,200円の所得税の還付を受けられます。
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(年間の寄付金合計額-2,000円)×40%
寄付金領収書に関するお願い・ご注意
- 確定申告にはパルシック発行の領収書が必要です。領収書は失くさないよう保管してください。
- 寄付金領収書の宛名は、お支払いの際にお手続きいただいた名前となります。
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